間に合いませんでした><

2017.10.20 (Fri)
ごめんなさい;;
本日の更新、間に合いませんでした;;
今夜書ければ、明日の夜に……遅くとも明後日までには必ずupしたいと思います><
せっかく来ていただいたのに、すみませんでした。

こんなお部屋ですが、これからもよろしくお願い致します;;


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福寿草5

2017.10.18 (Wed)


つくしside


「あの人って奨学金生なんだって。それなのに英徳学園なんて日本一金持ちの子供が通う学校に行ってたんでしょ?」
「入った時は金持ちだったんだろ? 在学中に親の会社が倒産して学園辞めたって聞いたけどさ」
「違うよ。元々ビンボーだったのよ。それで分不相応だって事で「赤札」っていうのを貼られて、全校生徒から制裁を受けたんだって」

 漏れ聞こえてくる声に、教室のみんなが何を言っているのか理解できた。
 あたしの高校時代の事だ。
 赤札を貼られイジメにあっていた事がバレてみんなの噂になっているんだ。
 ……なんで?
 どうしてバレたの?
 英徳からこの大学に進学した人がいた?
 それとも英徳に通っている知り合いがいて、その人から聞いた?

 手からも背中からも嫌な汗が出てきて、あの時の忘れたい思い出が蘇ってくる。
 全校生徒にシカトされ、ゴミを投げつけられた。
 車に引きずられて傷だらけになった事もあった……。
 自分より弱い人を見つけると、強者のように威張りまくる人達。

 ……ずっと忘れていたのに……。
 なんで今になってこんな嫌な事思い出して苦しい思いをしなきゃいけないの?

 教室にいる人達の顔が、高校の時の生徒とダブって見える。
 あたしを人として見てくれていない。
 人の尊厳などない、あたしはあいつらの動く玩具のような……。


「しかも親の借金が返せずに夜逃げだろ? あり得ないよな」
 ……?
「本当よね。ここにいるって事は、将来教師になりたいわけでしょ?」
「それってどうなの? モラルとかさ……生徒になんて教える気なんだろうな」
「立ち向かわずに、嫌な事からは逃げろ? 踏み倒せとか?」
「ええ、それダメじゃん!」
「「「あははははっ」」」


 ……え?
 ……どうして夜逃げの事までバレてるの?
 それは英徳学園でも知られていないと思っていたのに……。
 事実、類は夜逃げした事を知らなかったし。 

「つくし……?」
 隣に立っていた咲良があたしの名前を呼んだ。
 戸惑ったような目であたしを見ている咲良の視線とぶつかる。
「あ……」
 でもあたしは何て言われるか怖くなり、そのまま教室を駆け出した。
「つくしっ!!」
 後ろから咲良があたしを呼び留める声が聞こえたけど、振り返らず走って行き建物の外へ出た。
 門を通り抜けた時、授業開始のベルが何故か遠くの方で聞こえる。
 耳鳴りがする。
 さっきの人達の声と、赤札を貼られた時の英徳学園生徒達の声が繰り返し何度も聞こえた。
 どうしていいか分からない。
 考えがまとまらない。

 あたしはそのまま大学には戻らず、自分のアパートへ帰った。





「どうしたの? つくしちゃん。具合でも悪い?」
 「柊」でバイト中、ボーっとしているあたしに女将さんが心配そうに声を掛けてきた。
「あ、大丈夫です」
「そう? ならテーブルのお客様にお茶とおしぼりをお出しして」
「はいっ」
 テーブルの方を見ると、いつの間にかお客様が座っていた。
 ……あれ? あたしってば店にお客様が入って来たのに気づかなかったの?
 自分の失態を反省して、慌ててお茶とおしぼりをお盆の上に乗せお客様の元へ持っていく。

「どうしたんだい? 今日は上の空じゃないか。あのイケメン彼氏と喧嘩でもしたのか?」
「え……?」
「そういや最近見ないぞ」
 いつもと様子の違うあたしを見たお客様は、いつものカウンター席に類が座ってないのを見て話しかけてきた。
 まだフランスから帰ってきていない類。
 そうでなくても去年の12月に入ってから、仕事と大学の両立は大変そうで「柊」に来る回数は減っていた。

「おじさん達がガツンと言ってやろうか?」
「そうだな。どんなに見た目が良くても、つくしちゃんを大事に出来ないような奴は彼氏に相応しくないぞ」
「あ、いえ……違いますっ」
 今回ボーっとしていたのは、今日大学であったことを思い出していたからだ。
 それに類が「柊」に来ないのも喧嘩をしたわけではなく、仕事で日本にいないせいだし。
「そうなのかい?」
「類は関係なくて……。学校で出されたレポートの事を考えていたんです。ごめんなさい、仕事に集中します」
 慌てて否定してそれっぽい嘘をつくと、お客様達は納得したようだった。
 ペコリとお辞儀をしてあたしはカウンターの中へ戻って行き、仕事を開始した。




 お客様が全員帰り、ホッと一息ついた。
 女将さんは「今日もご苦労様」と言って、賄いの晩御飯を出してくれたが食欲が沸かなかった。
 心配した女将さんは、余ったご飯でお握りを作り「少しでもいいから後で食べなさい。空腹だと碌な考えをおこさないわよ」と言って持たせてくれた。

 アパートの部屋へ戻ったあたしは心身ともに疲れ果てており、もう銭湯に行くのも億劫に感じて、押し入れから布団を取り出しそのまま寝てしまった。



 次の日、あたしは初めて大学をサボった。
 あの蔑むようなみんなの視線の中へ入り込む勇気がない。
 ……それに……。
 あたしの過去を知って、咲良や恵美ちゃんには軽蔑されただろうか……。




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福寿草4

2017.10.16 (Mon)


類side

 初めてつくしの部屋で最後までしてしまった。
 途中「背中が痛い」というから、布団を出すために押し入れを開けると、司の紅茶カップが入ったケースを見つけてしまう。
 受け入れようと思っていた事も、余裕がない時は簡単に起爆剤に変わった。
 つくしを抱く時はいつも優しくしようと心掛けているのに、今回は引っ越しの事を俺だけが知らなかったっていう疎外感と、つくしの事は何でもわかっている……みたいな態度の司の事を思い出し、手加減する事ができなかった。
 最初は言われた通り声を抑えていたつくしだったが、途中からはそんな余裕もなくなってしまっていた。

 勢いのまま抱き、息が切れ全身が重く倦怠感を感じた頃、つくしは落ちた。





 俺は布団の中でスヤスヤ寝入っているつくしのおでこを触り、前髪をかきあげた。
 ……イラついていたとはいえ、これは完全な八つ当たりだよな。
 どんな言い訳をしても、俺がカッコ悪いのには違いない……。
 けど、つくしも十分悪いと思うけど……。

 新しく住む家だって、俺に相談してくれれば探してあげる事も出来た。
 俺が持ってるマンションの部屋を使ってもいいんだし。
 彼氏なのに全然頼りにされていない……って思うと、そのショックは隠しきれなかった。
 もっと余裕を持ってつくしと接したいのに、いつも振り回されて余裕がなくなってしまう。
 ただ俺はつくしの力になりたいだけなのに……。


 時計を確認するともう日付を跨ぎ、深夜になっていた。
 もう一度つくしを見ると、気持ちよさそうに寝ている。
 ……今起こしてももう銭湯は閉まっているし、このまま寝かせてあげた方がいいよな。
 明日から仕事でまたフランスへ行かなければならないからその話をしたかったのに、結局出来ず終いだった……。


 俺は枕元にメモを残し、つくしの鍵を使って部屋を閉めた。
 ドアについている郵便受けの中に鍵を入れ、駅まで歩いて帰った。





つくしside

 朝、いつもの時間に目を覚ますともう類は帰った後だった。
 枕元に類の字でメモが残されている。

『つくしへ
 今日からまた仕事で一週間ほどフランスへ行ってきます
 もう覚えたと思うけど、何かあったら必ず連絡する事
 風邪ひかないでね
 鍵はポストに入れたから。それじゃ行ってきます』


 メモを読み終えた後、昨夜の行為を思い出して布団の中で1人赤面した。
 ってか……昨夜は凄かった……。
 今まで何回か類と愛し合ったけど……あんなの初めて……。
 いつも以上に余裕がなさそうな類に、あたしもいつも以上に感じた。
 類の腕に抱かれると、自分という形が分からなくなり、本当に溶け合うような感覚。
 途中からはもう覚えてなくて、いつ寝たかって記憶はなかった。

 あたしは手にしたメモをもう一度読んで、朝から火照った体を何とか冷やそうと心掛ける。
 一週間、類とは会えない。
 寂しいって思うが、今はちょうど良かったかも……なんて思ってしまう。
 だってあんな凄いのがこれからもあるんだとしたら、あたしきっと体が持たないよ……。
 昨夜のことを思い出したらまた身体が熱くなってきた。

 その熱を冷まそうとあたしは鞄から携帯を取り出し「今起きた」事と「いってらっしゃい」のメールを類に送った。




 類がフランスへ行っている間に冬休みが終わり、大学が始まった。
 友達の咲良とは学部が同じで何かと一緒に行動する事が多く、恵美ちゃんもお昼ご飯の時などは一緒に過ごした。
「それじゃもう弟と一緒に住む部屋も決まったんだ」
「うん。昨日大家さんとこに挨拶しに行って来た」
 大学のカフェテリアで3人が揃った時、類に話すのを忘れていたみたいにあたしは2人にも引っ越しの事を話していなかったと思い出し、その事を報告した。
 そして昨日、不動産屋の重さんと一緒に大家さんの老夫婦の元へ挨拶に行って来た。
 重さんが言うように面倒見がいい人達で、旦那さんはもう定年退職をしたが、現役の頃は小学校の教頭をしていたんだと教えてもらい話は盛り上がった。
 引っ越し先には何の不安も持たずにすんで、楽しみになった。

「どんなとこ?」
「今と最寄り駅も同じで、大学までの通学時間もそんなに変わらないかな。2部屋あるから家賃は今よりも高くなるけど、そこは進と折半で頑張るつもり」
「そっかぁ。引っ越しの手伝いには行くから知らせてね。親に車借りるし」
「ホントに?」
「あ、つくしちゃん。私も行くよ」
「うん、ありがとう。助かる」
 咲良と恵美ちゃんの申し出に、あたしは笑顔でお礼を言った。



 そんな感じで順調に今年はスタートして行った。
 まぁ最初……ちょっと引っ越しの事を話し忘れて類を怒らせてしまい、躓いた感はあるけど……。
 フランスへ出発する時に『いってらっしゃい』のメールを送ったら、『体は大丈夫? 無理させてごめん』と謝罪の返信が届いた。
 あたしが『大丈夫』と返信すると、『よかった。またつくしを抱きしめる日を楽しみに仕事頑張ってくる』なんて電車の中では絶対に  開けられない恥ずかしい文を送ってきた。
 思い出すだけでニヤけそうなあたしは、ワザと顔を引き締め授業が始まる教室へ向かう。

 咲良と一緒に歩いていると、やけに周りからの視線が気になった。
 ……あれ?
 引き締めているつもりだけど、まだニヤついてるのかな……。
 どうやらあたし達を見て、ヒソヒソ話しているみたいだ。
 隣の咲良も周りの人達の態度を訝しげに見ている。

 そんな中教室に入ると、ヒソヒソ声の中から「……赤札」の単語があたしの耳に届いた。




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花束を君に~21の翼~ 公開目前

2017.10.14 (Sat)


いよいよ今夜、10月15日0時にスタートです。
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よろしくお願い致しますw









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福寿草3

2017.10.14 (Sat)



つくしside


「話してなかったの? つくしちゃん」
 女将さんの少し責めるような声に、あたしは声を出して返事をする事が出来ず黙ったまま頷いた。
 ……。
 ……ああ、だから何であたしってばこう忘れっぽいんだ。
 恋人に引っ越す事を話さないなんて……。
 類が怒るのも無理はない……


「……ごめん類っ。内緒にしていたとかじゃなくて……」
「忘れてた?」
 あたしは頭を下げて正直に話すと類の声が被ってきた。
「うん。ホントにごめんっ」
 もう一度謝ったタイミングで「柊」のドアが開き、新たなお客様が入ってきた。
「あら、剛さんに治郎さんいらっしゃいませ……。つくしちゃん、お話は一旦ストップね。お仕事してちょうだい」
「あ、はいっ」
 あたしが女将さんと一緒にカウンターの中へ戻ると、類もいつもの指定席となっているカウンターの端に座った。
 仕事中、いつも以上に類の事が気にかかり、小さなミスを何回も繰り返してしまった。
 お店の中に漂うどことなく気まずい雰囲気。
 ワザとじゃないにしても、類が怒る気持ちも理解できる。
 お正月とか……話すチャンスは沢山あったのに、本当に忘れていたんだ……。
 女将さんもその事を気にしてくれて「ゆっくり話しなさい」と言って、22時前には仕事をあがらせてくれた。



 アパートへのいつもの道をあたし達は並んで無言で歩いた。
 鍵を開けて中へ入ると類は折り畳み式の机の前に座り、あたしはそのまま台所へ行きヤカンの水を火にかける。
「お茶はいいから、こっち座って」
「あ、はいっ」
 いつもの甘い声音と違うからか体をビクっと揺らしながら返事をし、点けた火をすぐに消して類の横に座った。
「……」
「……」
「……ごめんなさい」
「もうそれはいいから。話してくれる?」
「はい……。えっと、弟の進がこの春にあたしと同じ大学に通う事になったの。あ、両親は今知り合いの旅館に住み込みで働いててね」
「ん」
 って、両親の事は知ってるのかな……?
 借金の返済に類の弁護士さんと話し合いをしたって聞いたし、そういう話は聞いているのかも知れない。

「進が上京したら漁村の家はもう引き払う予定で……それであたしと一緒に住もうって話になったの。でもこの部屋だと狭いから2人で暮らせる場所を探そうって話をしていた時、女将さんから常連客の重さんが不動産をしてるって教えてもらって……」
 説明するが、類は何も言わず黙ったままあたしをジッと見るので、だんだん声が小さくなっていき俯いてしまう。
 何も置かれていない机に視線がいくと、……やっぱりお茶くらい用意すればよかったかなって思った。
 寒い外は乾燥していたし、話しているとだんだん喉が渇いているのを意識してしまう。
 暖かいお茶でも飲んで一息つきたい。
 ……ああ、でも類が来た時はお土産にもらった紅茶を入れてくれって言われていたっけ……。
 ならあの紅茶カップを出さなきゃいけないの?
 押し入れにしまったまま、まだ一度も使っていない道明寺から貰ったカップ。
イギリス王室からの誕生日プレゼントとして贈られたカップ……。
 ……王室って……。
 貰った時は高価なものに違いない……って事しか頭になかったけど、よく考えると道明寺って王室と付き合いがあるって事だよね……。
 どんだけすごいの……。
 改めて世界が違う人達なんだな……なんて思ってしまう。

「……ね、つくし。聞いてる?」
「……へ?」
 顔を上げると類と目が合った。
「聞いてなかったでしょ……」
 類は「はぁ……」って大きなため息を隠さない。
「ご……ごめんなさい」
「もういいよ。……今度からはちゃんと話して」
「う、うん。ありがと……」
 あたしは許して貰えると思い、笑顔で身を乗り出すと、
「……って言いたいけど、やっぱり無理」
 なんてまだ怒った響きの声で類が言った。

「え……?」
 あれ……? と思ったら類に押し倒されて類の顔がすぐ近くにある。
 そして触れるだけのキスをされた。
「……」
「……」
 暫くの間、お互い無言で見つけ合うと、類の表情はやっぱりまだ辛そうだ。
 何かを我慢しているみたいな……今日はずっとこんな顔をしている。
 って、あたしがさせちゃったんだよね……。

「……約束して。もう隠し事はしないって」
「うん……」
 別に隠していたわけじゃないんだけど……って思うけど、ここは素直に返事をするとまた唇が触れた。
 今度は舌が入ってくる濃厚なキスに、類の手が意図をもってあたしの体をまさぐり出す。
 ……え?
 ……まさか……。
「る、類!?」
 あたしは覆いかぶさる類の胸を両手で押して、密着した体に少し隙間ができる。
「何?」
「な……何……って」
「言っとくけど止めないよ」
 そういって今度は首筋に唇が落ちてきた。思わず体をビクっと反応してしまう。
「……だ、だって……類? ここ壁が薄いよ……」
 防音がしっかりしている花沢邸の類の部屋と違って、ここは築45年のボロアパートなんだよっ。
 温泉旅行は離れの部屋だったし、お正月に過ごした別荘は二人っきりだったし……。
「なら声抑えて。お仕置きだから」
「お、お仕置き……って」
「頭では分かってても、つくしまた忘れるかも知れないし。だから俺に隠し事したらダメだって体で覚えて」

 類はそれだけ言うと、初めてこのアパートの部屋であたしを抱いた。




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