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種と蕾の先へ 79

桃伽奈



 類side


 夢子さんからポケコンを受け取り、何故かよく分からない人達に狙われ……。
 無事に時計塔へ着いてポケコンを起動したら、今度はパスワード……。
 それもクリアすると、次は問題……。

 いい加減にしろっていうのが俺の本音だ。
 でもその出される問題に、母さんが俺の事を沢山考えてくれているんだと感じた。
 そして俺の成長を楽しみにする反面、心配な事も沢山あると伝わってくる。
 記憶の中にある母さんが、まるでポケコンの中にもいるみたいだ。

 全て正解すると『おめでとう!』の文字と共に、長いメッセージが表示された。


『類がこれを読んでいるって事は、ママは類が一年生の時に死んじゃったって事かな……。残念。大きくなった類にも会いたかったな。
 パスワード覚えていてくれてありがとう。
 類と一緒に行ったレストラン、クラゲがキレイだったね。
 出されたご飯を食べずに、クラゲばっかり見ていたの覚えている?
 目を輝かせていた類を見るのが幸せで、ママもご飯が喉を通らなかったんだよ。

 パパとは仲良くしているかな?
 ママが知っているパパは仕事が大変で、あまり類とは一緒にいることがなかったけど、今でもそうなのかな?
 でもね、パパが仕事を頑張るのは、自分が決めた事を成し遂げるためなんだよ。
 子供の頃の類には冷たい人に映っていたかも知れないけど、許してあげてね。

 ところで今何歳になった?
 恋人は出来たかな?
 パパに似て、男前になったんだろうな。
 パパはママの事をいつも助けてくれたんだよ。だから類も、大切な人ができたら全力で守ってあげてね。
 怖がることも恥ずかしがることもない。
 一番駄目なのは、何もしない事。
 例え今、自分に力がなくて何も出来なくても、その志だけは見失わないでね。
 ママも生きていれば、パパのお手伝いがしたかったな。

 誰よりも大切な存在の類。
 声に出して教えてあげられなくてごめんね。
 ママもパパも、類の事を愛しているよ。
 自信を持ってこれからの人生を歩んでね』





「なのはな施設の「な」の字もない……」
 俺が怪しいと感じている、広田の名前も……。
 よく考えれば、母さんだって計画的に死んだんじゃない。
 牧野の父親と一緒に発見されるような死に方をするなんて、想像していなかっただろう。
 死ぬ前にポケコンへ文字を打ち込み、夢子さんに預けているんだから、無理な話かも知れない。
 でも父さんが話してくれなかった事があるのは分かっている。
 それを母さんが教えてくれるんだと、どこかで期待していた分、落胆が大きい。

 読み終えた俺が放った一言に、牧野は優しく笑った。
「……でもよかったね」
「……?」
「お母さんの気持ちを知る事が出来て。花沢類の事、すごく大事で大切な存在なんだね」
「……」
「それにお父さんともすごく仲が良いんだって、伝わってくる。花沢類とお父さんの事をすごく大事に思っているって、お母さんはその事を伝えたかったんだね」
 知りたい事は書いていなかったけど、そう言われるとどこか満たされた気持ちが湧いてくる。
「牧野のおかげ」
「あたし? 何もしてないよ」
 牧野が勇気をくれたからもう一度、父さんと話す事が出来た。
 母さんの事も誤解したままだったら、この遺言を見ても不倫して自殺したくせに何言ってるんだと思い、真意には受け取れなかったと思う。

「ありがとう、牧野」
 ベッドの上で座っていた牧野を優しく抱きしめると、「ううん」と言いながら背中に腕を回してきた。
 力を入れると折れそうな細い身体。
 でも鍛えているからか、しっかりしている。
 牧野の強い心が、真っすぐな背筋と相まって愛しい存在になる。
 そっと唇を合わせると、腕の中にいる牧野がかすかに動いた。
 いつもは触れるだけで終わるのに、今日は舌を潜り込ませる。
 自分と同じく熱を持っている牧野の中で、舌を絡めると驚いた様に逃げるから追うのは止めた。
 歯と歯茎を舐めるとビクっと反応したのが分かる。
 奥に逃げた舌が触れ合ったのを感じて、再び舌を絡めると今度は逃げなかった。
 舌と舌が絡み合う度に、クチュっという唾液が交わる音が耳に響く。
 牧野からは戸惑いが伝わってくるが、もう俺は止まらなくなった。

「このままヤリたい。……いい?」
「……で、でも……」
 牧野からの続く言葉は分かる。
 先日、今はまだしないって言ったばかりだ。
 あの時だって本当はすごく我慢した。
 いろいろ考えなきゃいけないことが多かったし、まだ早すぎるんじゃないかって思うと理性を保つことが出来た。
 けど自分のベッドに、顔を赤くして目を潤ませた艶っぽい牧野。
 密着した体に、舌を絡めた音が耳に響くと我慢なんて出来るはずがない。

「母さんの遺言にもあったじゃん。怖がることも恥ずかしがることもないって」
「そ、それ意味違うからっ!」
「同じだよ。俺にとっては。……牧野ともっと近づきたい」
 全部見たいし、俺だって全部見せる。
 余裕なんてないし、怖がらせるかもしれないけど……。
 一時の感情なんかじゃない。
 これから先も2人で進んで行きたい。

「あ、あたし初めてだから……」
「……ん、俺も初めて」
 もう一度唇を合わせると、俺の服をギュっと掴み返してきた。







※ 次回の79.5話は、大人向けなお話になりますので、年齢に満たない方、苦手な方はご遠慮ください。
読まなくてもお話は分かるように書いておりますので、次の80話からお願い致します。
大丈夫な方のみ、パスワードを入力してお進みください。

なぜ79.5なのかと言うと、最初は朝チュンで終わらせていたからです^^;
でもやっぱりあった方がいいかな……なんて思い、あとから付けたしたので、おまけみたいなものになっておりますw
(まだ書き終わっていないのですが、今夜中には終わる予定です^^; 子供が春休みなんで、まさかあの子の前で大人向けな内容を書くわけにもいかず……ww)
明日の29日に79.5話をupした後、30日は勝手ながらお休みします。すみません><
80話は、4月2日からになります。よろしくお願いいたします<(_ _)>



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Posted by桃伽奈

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