Welcome to my blog

スポンサーサイト

桃伽奈

-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

リレー『肝試し』4 -凪子-

桃伽奈

banner_rui_nagiko.jpg



「ヒッ!…ちょ、ちょっとやだっ、西門さん!? 変な冗談止めてよっ…」

明らかに周囲には異様な空気が立ち込めるのに、西門さんは何故か落ち着いた様子で…

ううん、西門さんの顔がニヤリと笑い、雷がピカッと光った瞬間

光に照らされた、その顔は……


見たこともない、”女の人の顔”になっていた。


「嘘っ!なんでっ…」

得体の知れない悪寒がぞわりと背中をかけ上る。


『クククッ… 誰にも渡さぬ…総一郎様はわらわのものじゃ…』

一気に鳥肌が立つ。
なんておぞましい声だろう…
そして言いながら、突然”女”はあたしの首めがけて長い腕を伸ばしてきた。


「いやっ!!!」

冷たい指先が、首筋に触れる。

嘘っ、なんで…
逃げたいのに、逃げられない…!?

恐怖で足がすくんで、もう駄目だ!と思った瞬間


「牧野っ!!!」
『…グフッ!?』

「へっ!?」

誰かの暖かい手にぐっと腕を引っ張られて、あたしはやっと我に返った。


「逃げるよ!」
「あっ!…う、うんっ!」

急に足が動けるようになって、慌ててそのまま花沢類と二人、森の奥へと逃げだした。

ハァ、ハァ、ハァ…


「あっ、でも西門さんは!?」
「いいから!今はとりあえず、ここを離れるよっ!」

でも、やっぱり気になるっ…
走りながら恐る恐る後ろを振り返ると、何故か西門さんはあたし達を追っては来なくって…どうやら鳩尾を抱えて、その場にうずくまってるみたい…?


「ねぇ? 花沢類っ、西門さんに何か…」
「危ないと思ったから、さっき咄嗟に急所を殴った」

「ええっ!? …だ、大丈夫かな」
「大丈夫でしょ。兎に角今は、もう少し遠くに逃げてから!」

「わ、わかったっ!」

見たところ花沢類はあたしより冷静で…どうやら何かを考えてるみたいだ。

あれ…?
そういえば、さっきの桜は……

ううん。桜どころかいつの間にか…
嵐も、あの不吉な天気もまるで嘘のように…
私達はいつの間にか元通りの静かな森の道を、汗だくで走っていたんだ。




*


「ハァ… ここまで来れば、もう大丈夫かな」
「うん… さっきはあの、ありがと…
でも何だったの? アレって…」

思い出してもゾクリとする。

短い時間に起こった一連の不可解な現象。いつもの西門さんが、急におかしくなった。で、真正面から向けられた、あの何ともいえない、恐ろしい憎しみの目は…

そうだ。あれって、まるで─────


「女の霊にでも、とり憑かれた?」
「…っ!! れっ、霊、って…」

生暖かい風が、ぬるりと汗ばんだ顔を撫でてゆく。凄く…イヤな感じがした。


「それって… まさか肝試しが、ホントになっちゃったってこと? あっ!でもほら!もしかして他の誰かが、仕組んでるって可能性も…」

「それは無いんじゃない?」
「…っ」

あたしの強引な思考回路は、花沢類にぷっつりと切られてしまった。


「先ず第一に、アイツから俺の手を、急に握ってきたこと」
「…?」

「考えてもみなよ。あの女好きの総二郎がわざわざ自分からそんな事すると思う? しかもあの目… ふざけてるって感じじゃなかった…」

思い出したのか、心なしか花沢類の顔色も蒼白くて…
やっぱり…彼もあたしと同じで、本気で怖かったのかな…って思ったら

「…気持ち悪い」

あ…! ププッ、成る程ね…

思わず噴き出しそうになったら、花沢類が不満げに睨むから余計笑いそうになる。

「あー…で、でもっ、絵面は綺麗だったよ?」

って言ったら

「そんなの益々嬉しくないっ!」

…あ、ヤバい。ここで拗ねさせたらいろいろアウトかも、と、あたしは慌てて笑いを引っ込めることにした。


「じゃあ聞くけど…あとは突然桜が咲くとか、あの雷とか声も… 流石にあれは、誰かのトリックとも思えないでしょ」
「うっ… た、確かに…」

逆に花沢類の指摘に、一気に見たくなかった現実へと引き戻されて


「それにさ… 一番おかしいのは、あの総二郎が牧野を…
それだけは、あり得ないでしょ」
「っ!」

そうなんだ…
花沢類は、皆まで言わないでくれたけど…
あたしが一番怖かったのは、あの時の西門さんの手…

本気であたしを、殺そうとしたんだ。


「だからアレは、総二郎じゃない」

「…!…でも、だったら…」

「うん。最後はアイツを元に戻さなきゃならない。でもちょっと待って。とりあえず、少し考えてる…」

それきり花沢類は、黙り込んでしまったけど…

「きっと…大丈夫だよ」
「っ///!…うんっ//」

不意にいつもの柔らかい微笑みをくれたから、一気に安心が戻ってきた気がする。だから…あたしも彼に倣って、暫しその場で身体を休めてみることにした。

うん、そうだよね…
西門さんも… きっと絶対、元に…戻るよね…

ひとときの静寂…
こうしていると、まるでスタートした時と何も変わらない気がして…
静かな夜の森にさわさわと風の音が吹き抜けて、少しだけ気持ちも、落ち着いてきたみたい。

でも

そんな能天気なあたしを横目に、どうやら花沢類の方は、何かを必死に整理しているらしく───


「…ねぇ」
「何?」

「牧野覚えてる? そもそも総二郎が変になったのって…」
「えっと…つまづいて、確かそのまま近くの木に抱きついたら…」

いつの間にか、桜が咲いたんだっけ…

で、その後いきなり「総一郎さん」って男の人の名前を呼びながら、花沢類に突然迫ってきて……


「…トラツグミ」

「へっ?」


それって…
あの時確か西門さんが言ってた、鳥の名前…?
ヒィヒィと… そういえばまるで、人間の女の人のような、変わった鳴き声だったけど……


「あの、何かわかったのっ!?」

「いや… でも取り敢えず、このまま二人だと心細いな。どうする? 他の奴等を探すか、それとも…」

「そ、それともっ…?」


「ゴールの、”お堂”を目指すか…」

「それって…このまま、二人で?」


花沢類がコクンと頷いた、その時だった。




─ガサガサッ!!


「きゃあああっ!!」
「誰だっ!?」
関連記事

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

Comments - 4

There are no comments yet.
スリーシスターズ  

こんにちは。
総二郎くんがとり憑かれてしまいました~( ゚Д゚)
ニヤリと笑った顔が雷に光って見えた時、総二郎くんの顔じゃなくなっていた訳ですから、想像するとヒヤっとしますよね(>_<)
とりあえずその場を離れた類くんとつくしちゃん。
みんなを探すか、お堂に行くか・・・
と、そこでまた・・・
ガサガサの正体は!!(>_<)
司くんたちなのか?
追ってきた総二郎くんなのか?
小動物でも動いただけなのか?
ドキドキですね~(>_<)

2018/07/15 (Sun) 10:46 | EDIT | REPLY |   
凪子♪  
スリーシスターズ様🎵

コメありがとうございます♪
どうでしょう…
少し怪談っぽくなってたら、嬉しいのですが…(* ̄ー ̄)笑
幻の桜の木に続き、何かに取り憑かれたらしい総ちゃんの豹変…
そして、次の展開は果たして…!?
…はい。バトンを受け取った作家さん次第です(笑)
実はこの『肝試し』リレーが1番、最後はどう転ぶのか…誰も予想がつかないままに進んでいったお話なので…
ドキドキハラハラで、どうか最後までお見逃しなく❤
どうもありがとうございました♪

2018/07/15 (Sun) 19:13 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

ごえーーーーーーーーーーっ(゚Д゚;)
BLじゃなくて、ホラーにもどっちょる・・・
めっちゃ急いで読んだけど
とりあえず逃げられてよかった。
でも総ちゃんが・・・
総ちゃんの2号も心配だし・・・
トラヅグミか、はらづつみか、わからんが
動物の仕業なのかな?
ほら・・・またなんかきたよ。
凪子様、怖いお話ありがとうございました。

2018/07/16 (Mon) 12:46 | EDIT | REPLY |   
凪子♪  
さとぴょん様🎵

キャー❤
ごめんなさい(笑)
滅多に拝めない、恐がるさとぴょんさんが可愛くて可愛くて🎵
レアで思わず萌えてしまった…❤♪(/ω\*)
ええ…
残念ながらBLには転びませんでしたm(__)m
ご期待に添えず、申し訳…
って、肝試しだし‼(笑)
うふ。
恐がって頂けたなら、凪子本望です❤(笑)
ところがこのまま丸投げで… 次に何が登場しちゃうかは、お次の作家さん次第ですので…(* ̄ー ̄)
是非是非、最後までハラハラドキドキ💓
恐くなったら密かに腹づつみを打ちつつ(笑)
気楽にお楽しみ下さいませ~♪(/ω\*)
ありがとうございました❤

2018/07/16 (Mon) 20:30 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。