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桃伽奈

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Posted by桃伽奈

リレー『肝試し』7 -りおりお-

桃伽奈

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「牧野! 危ない!」

類は、咄嗟に総二郎の身体に蹴りを入れ、つくしの手を掴む

「走るよ!」
「うん!」

つくしは、類に引っ張られながら走り出す
チラリと視界に入った総二郎は、お腹辺りに手をやっているものの、今にも追いかけてきそうだ

「ねぇ…やっぱり西門さんに、『あや』さんが憑依してるよね?」
「あぁ…間違いない! 良い? よく聞いて!」

類は、走りながらも話を続ける

「この手紙は、間違いなく恋文だ! その内容から、『総一郎』が『あや』に送った物!」
「うん」

「たぶん…この二人は駆け落ちをしようとしていたんだと思う。かろうじて読めた文章から、明日の子の刻に、本堂で待ってると推測出来るし、『ニつ一緒に…幸せ』と読めたから、二人で一緒に幸せになろうということだと思う」
「だよね」

「でも…この手紙を貰った『あや』さんは、そこに辿り着けなかった!その恋文についている汚れは、たぶん…血だと思うからね」
「えっ! 血!」

「覚えてる? 初めに総二郎に憑依した時『おぬし、邪魔をするのか』『総一郎様は、わらわのものじゃ』と言ったの!」
「あっ! そう言えば!」

「その話し方から、『あや』って人は、かなり位の高い人物だと考えられる。 つまり、何処かのお姫様! ほらっ、昔のお姫様って、政治利用され好きな人の元には嫁げないだろ?」
「うん。それに、正室、側室とかって、一夫多妻制だったしね」

「そう。 だから、駆け落ち! でも、途中で見つかって自害でもしたんじゃないかな? もちろん、この総一郎って人も、その時殺されてるはず! お姫様を誑かせた張本人だしね」
「だよね。 なんか、可哀想」

「その想いがこうして成仏出来ず、彷徨っていたのかもね! あっ、あれじゃない?」

二人の数メートル先に、お堂らしきものが見える

「俺達が目指していたお堂が、この手紙にある本堂なんじゃないかな? それに、もうすぐその『子の刻』に当たる0時だろ? だから、『あや』さんが、出てきたのかもね」
「でも、桜は?」

「それはきっと…この駆け落ちの時期が、桜の時期だったんじゃないかな?」
「なるほど…じゃあ、なんで西門さんに憑依? 普通、女性なら私に憑依しない?」

「それは… ヤバッ! もう来た! 牧野! これをそのお堂へ置いて! 俺は、総二郎を食い止める!」
「分かった!」

つくしは、類から恋文を受け取り、すぐ目の前のお堂に向かう
類は、そのつくしを守るように立ち塞がる
その類の前に、般若のような表情をした総二郎が立つ

『おぬし…総一郎様では無いな!』
「もちろん違う!」

『わらわの恋文は…総一郎様からの恋文はどこじゃ! 返さぬか!』

と、地を這う声で告げると、類に向かって飛びかかった
類としても、本気で殴る訳にもいかない
何故なら、身体は総二郎なのだから

「牧野! 早く!」


つくしは、お堂を懐中電灯で照らす
背後には、類の切羽詰まった声が聞こえる
早く! 早く! 早くしないと!
と、気持ちが逸る

目の前のお堂は、思ったより古く小さな物
恋文を置こうにも、置く場所すらない
そして、お堂はしっかりと扉が閉められ、御札が貼ってある

あっ! 滋さんが言っていた御札ってコレ?

つくしは、迷う事なくその御札を剥がす
そして、扉を開けた

ギィ……

途端、なんとも言えない空気が流れ出す
そして…トラツグミの鳴き声が響き渡る

ピィ……ピィ……ピィ……

思わずブルッと身震いしながらも、つくしはそのお堂の中へ恋文を入れ、手を合わせた


揉み合っていた類と総二郎
その総二郎の力がフッと抜け、類に覆い被さってきた

「おっと…」

類は、その総二郎を支え振り返る
すると、お堂からかすかな白煙が、上空へ上がっていくのが見えた

ーー終わった…

「おい! 総二郎!」

類は、総二郎を揺り起こす

「ん? あれ? 俺、どうしたんだ?」
と言いながら、類から離れる

「気分はどう?」
「あぁ…なんか…スッキリ?」
「そっ! それは良かった」

そこへ、つくしがやって来た
手には、御札が握られている

「西門さん? 元に戻ってる?」
「はっ? って事は、また?」

総二郎は、やはり信じられない気持ちだ
だが、確かに変な感じはしていた

「まあ、『あや』さんは、成仏したみたいだし、もう大丈夫でしょ。 それより、御札も無事ゲットできたみたいだし、サッサと帰ろ?」
「あぁ…早く帰ろうぜ」
「うん…」

三人は、足早に元きた道を戻り始める

「それにしても、なんで俺? 俺は、男だぜ?」
「それ! あたしも思った!」

「あぁ…それは多分…総二郎が茶道をやっていたからじゃない?」
「「 茶道? 」」

「そう。 ほら、『あや』さんは、何処かのお姫様って言っただろ? って事は、茶道に馴染みがあった!」

「なるほど…」
「いい迷惑だぜ…」

つくしは納得するものの、総二郎は苦虫を噛み潰したような表情を見せる

この時、三人は気づかなかった
あの総二郎が倒れた時の木が、未だ大木のままだという事に…

そして無事、皆の待つ別荘へ戻った

「遅いよ〜」
「何やってんだよ」
「道に迷われたのかと思いましたわ」
「案外、途中で引き返したとか?」

ブツブツと四人が文句を言う中、類、総二郎、つくしはホッと安堵を覚える

つくしは、すぐに滋の元へ走り寄る

「はい! これ! 御札!」

つくしは、手にしていた御札を滋に見せる
それは、どう見てもかなり古いものだ
しかも、達筆で何を書いているのか分からない

滋は頭を捻る

あれ? 私の用意した物とは違うんだけど…
スタッフが気を利かせて、それらしい物を用意したのかもしれない
最近建て直した、大きくて綺麗なお堂だったからね
御札だけでも、それっぽく?
でも…滋ちゃんのも桜子のも、私が作った御札だったんだけどなぁ…

「ご苦労様!」

ここで夜空がピカッと光る
滋は、思わず手にしていた御札を落とし、耳に手をやる
すると、一陣の風が吹き抜け、足元に落ちた御札を舞い上がらせ、夜の森の中へ

「雨でも降るのかな? もう中に入ろう? 皆も中に〜」

滋は、大きな声で呼びかける
その声に、皆も別荘に足を向けた

「あきら、聞いてくれる? 総二郎がさ…」

類は、先程身に起こった話を、面白おかしくあきらに話そうとする
すると、類の頬に生暖かな風が触れる
そして…あの鳴き声が…

ピィ……ピィ…ピィ……


ーまさか…な?

サッと総二郎を見ると、あきらの肩に腕を乗せ、自分の身に降り掛かった摩訶不思議な話を語っている

だよな…
気にしすぎか?

「おい! 類! お前も説明しろよ!」
「あぁ…」

類は頭を振り、あきらに語りながら歩き始めた
その後ろに…二人を残し…




『そう…いちろう…さま……』

つくしの口元が、勝手に動く
その瞳は、ただ一人の人物を捉えて…


『あや…』

独特な髪型の男性も、その口元が動く
その瞳は、しっかりとつくしを捉えて…



ピィ……ピィ……ピィ………


真っ黒い空に、トラツグミの鳴き声が響き渡る


そして…
あのお堂の扉が、バタンバタンと大きく開閉を繰り返していた






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Posted by桃伽奈

Comments - 8

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スリーシスターズ  

りおさん、おはようございます。
またまたあやさんにとり憑かれた総二郎くん!
もうどうなるの~(*_*;とハラハラ・ドキドキ。
お堂に着いて、お札を剥がして、恋文を置いて無事に成仏してくれた!?
総二郎くんも元に戻りましたしね。
でも、滋さんに渡したお札は滋さんが用意したものではない!
滋さんちょっと不思議には思いましたが、あまり気にしないのも滋さん!
ここは深く考えない方がいいですね!
類くんの推理はお見事!
お堂に恋文を置いて無事に成仏してくれた!と思ったけど・・
またトリツグミの鳴き声が・・(*_*;
類くんは気づいてますよね。
トリツグミが鳴いたら総二郎くんがとり憑かれたことに。
でも、総二郎くんは普通だし気にしすぎかな?と思っているけど・・・
え~っ!(゜ロ゜)
まさかまさかのつくしちゃんにとり憑いちゃった!
しかも今度は総一郎さんまで出てきましたよ~!
しかも司くんにとり憑いちゃった!!( ゜o゜)
えっ、お話は(完)!
とり憑かれた2人はどうなるの~(>_<)

2018/07/20 (Fri) 07:36 | EDIT | REPLY |   
りおりお  
スリー様

どうなるの?で、まさかの完結!(笑)
仰っしゃる通り、つくしちゃんが剥したお堂は、総一郎とあやさんが落ち合うはずだったお堂です
きっと最初の頃に、暗闇の中で走ってしまい道を間違えたんでしょうね
そして、曰く付きのお堂の御札を剥してしまった!
((((;゚Д゚)))))))
封印されていた総一郎さんは司くんに、封印を剥した事で、あやさんの想いはつくしちゃんに…
やばいよ、やばいよ…
でも、ここにはつかつく作家様がいらっしゃらない(笑)
取り憑かれた二人は、そりゃあ長年の想いを叶えるためにイチャコラ?
そんなお話、誰も書けないよぉ…って事で、終止符を打ちました!
もちろん、『私が書く!』と、スリー様が書いてくださっても良いですよぉ(笑)
お待ちしていますね!
コメントありがとうございました

2018/07/20 (Fri) 09:37 | EDIT | REPLY |   
わんこ  

こんにちは、エ~つくしと 司に憑依して終了!!
絶対 何方か番外編書いてください!!
しかし、総二郎、類って特異体質、読めたり視えたり、感が鋭すぎる、司もある意味感が動物並ですが、あきらが一番凡人云え普通の方ですね。
今年は酷暑ですから、この様な物語で涼みます、、でも夜はやはり読めません。寝れなくなるので!

2018/07/20 (Fri) 10:57 | EDIT | REPLY |   
りおりお  
わんこ様

モヤモヤする終わり方…
これもホラーっぽい終わり方じゃないですか?(笑)
実の所、ここにいらっしゃる二次作家様達も、皆ホラーが苦手なんです
そんな中、誰かが『夏といえば肝試しだよね』と呟いた事で、急遽始まったんです
プロットが何もない中、なんとかここまで繋ぐことができました
でもこの先は、つかつくになってしまいそうなので…
誰か勇者がいらしたら、そちらのブログで書かれるかも?
どうだろう?今の所、誰も名乗り出ていませんが…
最後までご拝読有難うございました
こちらのリレーを担当した作家を代表してお礼申し上げます
コメント有難うございました

2018/07/20 (Fri) 14:55 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

うわっ・・・朝読んだのに、ぞくっときた・・・
りおりお様、怖さ引きずる、ぞくっとラストありがとうございました。
何がいちばんびっくりしたかって言うと、
総ちゃんに再憑依したあやが追いかけてきてるのに
冷静に文の筆跡そして内容や、
さらには、あやが位の高い人物とまで推理しながら走ってる類が凄かったです。
普通なら恐ろしくて何も考えずに逃げるのが精いっぱいですが、
類くん流石ですよね。
なんか途中から類がコナンに見えなくもないというか。
いやコナンよくわからんのですけどね。(;^ω^)じゃあ言うなよ!
でもこんな恐ろしい状況でも冷静で頭が回る類って
やっぱ凄いわ・・・とそこはほんとに感心しました。
まあお堂は間違っちゃいましたけどね。これは類のせいじゃない。
トラヅグミ・・・どんな怪鳥かと画像を見ましたが、
虎っぽい模様があり意外と鶉系で可愛かったです。
でも鳴き声は物寂しい感じで、真夜中聞けばやっぱ恐怖を感じますね。
桜も、駆け落ちした季節が春だったなんて、その謎も解けてスッキリしました。
最後つくしに憑依したのにはぞくっときましたが
まさかクルクル殿にまで憑依するとは!(◎_◎;)
すいません、怖い話なのにそこだけは笑ってしまいました。
でも、総一郎とあや・・・やっと会えてよかったですよね。
たっぷりラブラブしてくださいませ。
続きは是非、つかつくの読者様会長のス〇ー〇〇〇ー〇様に。
デビュー作がホラーR!(◎_◎;)
凄いですねぇ・・・これは度肝抜かれますよ(笑)
その時は間違いなく応援させていただきますと
りおりお様からお伝えくださいませm(__)m(笑)
いやぁ・・・ここだけの話、実は、最初タイトルの肝試し見た時
お化け屋敷でイチャコラするのか
もしくは墓場で3〇とかくるのかと予想してたんですよ(;^ω^)
(まあその場合、あの方は今回見えないけど、
あの方と、あの方と、あの方がいるから
もしかしたら書かれるかも?と予想してたんですが(笑))
蓋開けたら、ガチで肝試しだったので、
ホラーが苦手な私はマジでビビり読むのが怖くて大変でした。
でもお優しいコメントのお返事に励まされ(〇luさんには早く次行けと尻を叩かれましたが(笑))
最後まで読めてほっとしました。
終わってみればとても楽しかったです。
りおりお様、皆様
夏ならではのドキドキリレーありがとうございました♡

2018/07/24 (Tue) 11:42 | EDIT | REPLY |   
りおりお  
さとぴょん様

最後まで読んで頂き有難うございます
私もホラーは嫌いなんです
なのに、勝手に始まって…終着点が見つからず、ラインは凍結したように皆がダンマリとなり…
だって、何か呟くと次を書くと言う決まりになっていたんですから!
そりゃ、誰も呟かない(笑)
そんな怖いラインとなっていました
皆が色々残した布石を拾いつつ、終止符を打ってからは、急にラインが賑やかに!
もう二度と肝試しはゴメンです〜
この続きは、スリーさんに任せましょう(笑)
さとぴょんさんが楽しみにしていた『あっは〜ん❤』が少なくてスミマセン
それはまた、8月に行われる第二弾で!かな?
是非、お楽しみに〜
コメントありがとうございました

2018/07/24 (Tue) 12:23 | EDIT | REPLY |   
つくしんぼ  

はじめまして!!
ドキドキしながら
読みました(*´∇`*)!!

落ちに驚いて、一人おおーっと
言ってしまいました(^^;

楽しいお話ありがとうございます🙇

2018/10/11 (Thu) 15:31 | EDIT | REPLY |   
りおりお  
つくしんぼ様

最後まで読んで頂き有難うございます
こちらの作品は、タイトルからも分かるようにホラー系です
イベントが決まり招集された時、『夏といえば肝試しだよね』と誰かが呟き、いつの間にか始まっていました(笑)
プロットも誰が書くのか?も決まっていない中でのスタート
作家様が戦々恐々としておりました(笑)

きちんと解決していない終わり方
これもホラーならではですよね(笑)

コメントありがとうございました
<(*_ _)>

2018/10/13 (Sat) 06:04 | EDIT | REPLY |   

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