Welcome to my blog

スポンサーサイト

桃伽奈

-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

七夕(theme[the star festival])

桃伽奈


総二郎とつくしが付き合うようになり、まだ1ヶ月経つか経たないか。

そして2人が初めての夏を迎える頃、この付き合いが一変することになる。




紫陽花が最も美しく咲く季節。
ずっと口説き続けていた女性に最後のだめ押しともいえるアプローチを仕掛けた総二郎。

焦らしに焦らされ色好い返事をもらったのは、じめじめとした梅雨が明けた頃のこと。


何度かデートを重ねているうちに、街のディスプレイも様変わりし、今は七夕を意識した竹や笹がそこかしこに溢れている。
愛しい彼女に合わせた健全なデートをしていると、こういった街の景色がセットになってくるということに総二郎が気づいたのはごく最近のことだった。



「もうすぐ七夕だね~。
今年は晴れるのかな?」

「どうだろうな?」

「晴れてほしいよね~。
そうじゃないと織姫様、かわいそうじゃない?」

「くくっ。お前らしい発想だよな。」

七夕飾りをキョロキョロと見渡しながら言葉を交わすつくしと総二郎の会話は、これまでと同じく他愛もないもの。
それでも念願叶った2人の顔は笑みで溢れている。

「お前どうせその日は残業なんだろ?」

「えっあっ…そのつもりだったんだけど……頑張って仕事終わらせることにしたの!」

「じゃあ、迎えにいくよ。」

「うん…ありがと…。」

口には出せなかったが総二郎と共に星空を見上げたかったつくしは嬉しさと同時に恥ずかしさに襲われ、頬を染めながら礼を告げる。
一方の総二郎。
自分と共に過ごすために時間を作ってくれた事、そのつくしの変化が嬉しかった。




お屋敷に帰った総二郎の元に弟子であり、秘書でもある森野が訪れていた。

「総二郎様、スケジュールの確認を致したくお邪魔致しました。」

「あぁ。」

総二郎は森野を部屋へ迎え入れる。

部屋に入った森野は今後のスケジュールを総二郎に渡し、近々の予定を連ねる。

総二郎はスマホをタップしながらスケジュールを確認する。

「それから…急な事でございますが、21日に講演会の打診がございましたが如何致しましょう?」

森野の言葉にスケジュールを確認した総二郎の手が止まる。
その目に映るのは『牧野』の二文字。

「その日は駄目だ。
日にちを変えてもらうか、他を当たってもらえ。」

「はい、畏まりました。」

いつもの事と慣れた様子で森野は用紙にその旨を書き記す。

「あ、いや…。
その話…進めてくれ。」

総二郎の言葉に森野の手が刹那止まるがすぐに「畏まりました」と言葉を返す。

その後も幾つかのやり取りを済まし森野は部屋を後にした。




7月7日

定時に仕事を終えたつくしは一旦アパートへ帰り、夜食を作る。それを綺麗に弁当箱に詰めると待ち合わせ場所へと急いだ。

迎えを申し出た総二郎に対し礼を告げたつくしだが、その後どう過ごすかを話し合い、結果待ち合わせをする事となっていた。


街はカップルで溢れている。
総二郎とつくしもそんな街中をのんびりと手を繋ぎ歩いている。

辿り着いた先は西門邸の東屋だった。

「ふふっ。
そっかぁ、そうだよね~。」

くすくすと笑うつくしはこの日の目的地を知らされていなかった。
総二郎が告げたのは「星が綺麗に見える場所」ただそれだけ。
想像とは違ったが思わず納得してしまうその場所に座り空を見上げる。

「綺麗だね~。」

「だろ。」

「晴れてよかったね~。」

「あぁ。」

つくしは空を見上げ、総二郎はそんなつくしを見つめ、言葉を交わす。
2人の間に沈黙が流れた事を期に総二郎は空を見上げた。

「なぁ牧野。
悪いんだけどさ。土曜日仕事が入った……。」

つくしは驚き総二郎を見つめる。けれども総二郎は空を見上げたままだった。

「し……仕方ないよ…仕事だもん…。
気にしないで…。」

明らかに落胆したつくしの声が総二郎の胸に突き刺さる。

「お前が言ったんだぜ?」

「えっ?」

「織姫さんがかわいそうって言ったろ?」

以前デートの際に言った覚えはあるものの、それがどう繋がるのかが分からず、つくしは総二郎を見上げた。

「あの2人は仕事さぼって神様怒らせて、年に1度しか会えなくなったんだろ?

俺たちの場合は怒るのは神様じゃねぇけど、仕事をする事で怒られずに…何も言われずにいられるんならその方がいいと思わねぇ?」

他愛もない会話から総二郎が考えていたことを知り、つくしは苦笑せざるを得なかった。
総二郎の言うとおり、最近のつくしの優先順位は仕事から総二郎へと変わっていたからだ。
それは総二郎も同じこと。

「だめだね、私たち…。」

総二郎は視線を落とし、つくしをみつめる。つくしの瞳に総二郎が映る。

「つーか、俺が、な。
これからはお前を守れるようにちゃんとしねぇとな。

頑張るからさ……お前もちゃんと付いて来いよ?」

「……うん…。」

「で……約束もごめんな。
終わったらすぐに行くから。」

「うん…待ってるね。」

見つめ合う2人の顔にようやく笑みが戻る。

「で、つくしちゃんは何を作って来てくれたんだ?
そろそろご相伴にあずかろうか。」

総二郎がにやりと笑えばつくしの頬がうっすらと染まっていく。
昔はむきになり言い返していた言葉は出てくる事はない。

つくしお手製の弁当を頬張り、言葉を交わし笑みを浮かべ、きらきらと輝く星空をいつまでも眺めていた。




西門内部で2人の付き合いを遠目に見ていた人物が数人。

総二郎の仕事に対するスタンスが変わったこと。
それを変えたのが牧野つくしという存在であるということ。

まだごく一部の人間しか知らない事実だが、うまくいけば今後に繋がるに違いないと、その人物たちは2人を見守る事に決めた。

こうして2人はこれから徐々に徐々に味方を増やしていくことになる。


今後の2人を左右する節目となった夏であることを当人たちはまだ知らない。



fin






banner_soujiro_gip.jpg





関連記事

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

Comments - 4

There are no comments yet.
スリーシスターズ  

Gipさん、こんにちは。
最初読んだときは、総二郎くんとつくしちゃんに何か起きてしまうの~!Σ(×_×;)!とドキドキしました!
七夕に星を見る約束をした2人。
総二郎くんが連れてきた場所は西角邸の東屋。
どこか遠くに行くよりものんびりできて、星が綺麗に見えて、ナイスな場所ですよね♪
総二郎くんが約束した日に仕事を入れてしまったことと、織姫さんが可愛そうって話がどう繋がるのかな?と思いましたが、織姫と彦星のお話を総二郎くんがした時に、あ~そういうことか~と納得しましたo(^o^)o
付き合って浮かれてお互い仕事がおろそかになってしまっては、元も子もないですもんね。
つくしちゃんと付き合うことによって、変わっていってる総二郎くん。
みんなに認められる日も、近いかもしれませんね!
2人の付き合いが良い方向に向かっていく転機になったとなった夏。
2人の未来へ向かってのお話で良かったです♪

2018/07/11 (Wed) 15:39 | EDIT | REPLY |   
Gipskräuter  
スリーシスターズ サマ

こんばんは~!
コメントありがとうございます♪
あははっ!
意味深でしたかね?(笑)
七夕っていろんなCPでいろんなお話があるから難しいんですよね…。
何故手を挙げてしまったのか……(笑)
結局考えに考えた末、織姫と彦星の遊びすぎ?イチャイチャしすぎ?が、総ちゃんには1番はまりそうかな?なーんて考えてこんなお話にしてみました♪
総ちゃんもつくしちゃんもやるべき事を頑張って幸せになれるといいですよね(〃ω〃)
お付き合いくださりありがとうございました♪

2018/07/11 (Wed) 19:26 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

Gip様
お話ありがとうございました❤
織姫と彦星を
自分たちにたとえて
ニクイ意地悪をする総ちゃん
驚き落胆するつくしの素直な反応が可愛かったです。
でもふたりのしあわせな未来を思っての言葉
「だからしっかり俺について来いよ。」
こんなこと言われたら嬉しくて
「ガッツリ仕事がんばってこいや!!」
って背中バシーンと叩いて送り出したくなりますよね。
いや違うか?(笑)
っふたりのしあわせをじんわり感じる素敵なお話❤
ありがとうございました。

2018/07/14 (Sat) 18:05 | EDIT | REPLY |   
Gipskräuter  
さとぴょんサマ

コメントありがとうございます♪
うふふ♪
総ちゃん…苦渋の決断?(笑)
あははっ!
極端に仕事人間になっちゃったりして?
けどまぁ…我慢出来ないですよね(笑)
でもこれで何も言われずに済むならやっぱりラッキーってことで♪♪
お付き合いくださりありがとうございました(o・ω・)ノ))

2018/07/14 (Sat) 22:28 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。