Welcome to my blog

スポンサーサイト

桃伽奈

-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

空蝉(theme [cicada])

桃伽奈

こちらのお話はR表現があります。苦手は方は回れ右、大丈夫な方はご覧下さい。
「・・・あああぁっ・・・!んっ!んっ、んんん〜〜〜!!」

夏の終わりに近づいたというのに、今年の夏はひどく暑かった。いつもは静かな佇まいであるお屋敷だが、その何処にいてもきこえるほど、ミンミンミンと油蝉が引っ切り無しに大合唱をして五月蠅い。そんな中、男と睦んでいる水音と、せつなげに聞こえてくる息遣いが、締め切った部屋の空間を支配している。

「・・・・・くっ、そんなに・・・締め付けんなよ・・・。」
ぐいっと私の腰を引き上げると、男は私の最奥を容赦なく責め立て始める。
それを合図に、今まで必死に我慢していた声が、堰を切ったように周囲へと漏れ出ていった。
「だ・・ダメ!それ以上・・・・はぁっ!・・・だめぇぇぇっ・・・・・。」
腰と腰とがぶつかり合い、男から与えられる刺激に全神経を集中させた。その甘くて強い快楽を、何と表現したら良いのだろうか。最早麻薬のようだ思う。溶けて落ち抜いてしまうような感覚が、私を堕落へと貶めていくのだ。
「やっぱ、離れらんねぇのかもなぁ。
・・・躰の相性、バッチリすぎ。ほら。」

男が脚を抱えて更に奥を貫くと、脳天に激しい電流が流れ、熱い血潮の如く全身を駆け巡る。抽送されながら、咬みつくようなキスに無我夢中になって舌を絡めると、荒々しげに男の大きな手は私の乳房を揉みあげた。
痺れるような強い快楽が押し寄せ、私の思考力をも奪い去っていってしまう。全てを脱ぎ捨てて、残ったのは女の欲望だけ。

「・・・・うぅっ。・・・・んっ!!あっ、あっ!」
限界までのぼりつめた熱が、はちきれそうに膨らむ。敏感になりすぎた肌に、男の汗が流れ落ちる。それだけで感じてしまう私は、きっとどうかしているんだと思う。

「・・・・・・・くっ・・・。つくし・・・、つくし・・・・。」
「あああああぁぁぁ・・・・!」
白い閃光が脳内に轟いた瞬間、胎内に男の体液が迸った。同時に甘い刺激が私を支配し、散々弄られて桃色に染まった躰が、もっと欲しいと吐き出された液体を吸い尽くそうとする。 快楽に浸る子宮と連動して蠢く膣内は、男のモノが離れていくのを許さない。

不毛な関係を疎んでいたつもりが、逢瀬を重ねて抱かれる毎に、男の背中に所有の証し爪痕を刻み残したくなる気持ちが強くなっていく。
この男から与えられる悦びこそ生きる喜びで、虚ろな世界から解放される唯一の瞬間。
だからこそ思う。
この関係に少しでも執着を匂わせたら、男はなにを思うのだろう。



情事の後。シャワーを浴びて戻ってくると、男が既に着替えており、窓の外を眺めていた。
蝉時雨の中、男の周囲だけ、静寂が保たれているように思える。
バスローブのまま、一人ドアの外で佇む私を見て、男は怖いくらいに美しく微笑んだ。

「・・・そろそろアイツが迎えに来るぜ。早く着替えた方がいい。
・・・それと、次の稽古は『2ヶ月後』だ。」
「え・・・どうして?・・・せめて1カ月後は?」
「・・・・・・無理。」
「・・・そっか、ごめん・・・。じゃあ、2カ月後・・・だね。」

さっきまであの綺麗な大きな手は、私のことを弄っていたのに。
黒曜石のような緑がかった熱い目で、私だけをみていたはずなのに。
躰だけの繋がりではないのだと、信じていたいのに。
私達は離れられないはずではなかったのか。
男は余所行きの顔で、逢瀬を過去のモノへとすり替える。

空蝉の鳴き声は、激しさを増して夏の終わりを告げる。
儚い命を謳歌する為に。





『 蝉の声 聞けばかなしな 夏衣 薄くや人の ならむと思へば 』 古今和歌集715 紀 友則
~蝉の羽ほどに薄い夏衣のように恋心も薄くなってしまうかと思うと、蝉の声もかなしく聞こえる。~





banner_soujiro_kawamori.jpg
関連記事

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

Comments - 2

There are no comments yet.
さとぴょん  

花様
お話ありがとうございました♡
蝉の声とふたりの合体がいい感じにシンクロして
熱さと激しさとせつなさに、ワタクシ火傷しそうでした。
2か月たったころは、コオロギとシンクロするのでしょうか?
いや、そういうことではないですよね。
すみません。せつなさのあまり妄想を違う方に走らせてしまいました。
総ちゃんの態度からして
ほんとうのところ、その約束さえ守られることはないのかも・・・。
蝉の声が消える頃、この関係も終わってしまうんでしょうかね?
夏の終わりが恋の終わり
激しいRではじまった故に
ラストのもの寂しさが身に染みるせつないお話でございましたね。
蝉の鳴き声
お話によっていろいろ感じ方が変わってくるんですね。
素敵なお話ありがとうございました♡

2018/07/11 (Wed) 15:59 | EDIT | REPLY |   
河杜 花  

さとぴょん サマ
コメントありがとうございます🖤
実はこのお話を書くにあたって、メンバーとテーマ決めをしていた際に、蝉って大勢で鳴くと人の声が聞こえないというような話になりまして。
むむ?
もしかしてRの声も聞こえない?
...ってことで、書いちゃいましたw
蝉の鳴く声に夏の終わりを感じるのは私だけかもしれませんね~。
つくしちゃんなら、コオロギでも鈴虫でも
どちらでもいけそうで怖いです。
その時は可愛い声で鳴いてくれそう🖤

2018/07/12 (Thu) 08:59 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。