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桃伽奈

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Posted by桃伽奈

海(theme[ocean])

桃伽奈


夏。
朝茶事が多いこの季節は、昼間は暇を持て余していることが多い。
稽古だって夏休みをとって海外や避暑地で過ごしている者ばかりだから、牧野くらいしか稽古に通ってくる者はいなかった。
それが俺にとって癒しの時間だってのに………
それなのに………


「あのね、次のお稽古なんだけどね
 丁度その日に皆で海に行くことに
 なっちゃったからお休みしたいの」

「は?皆って誰だよ」

「バイト仲間よ。
 あたしだってF4以外にも
 友達だっているんだから………」


なんて歯切れの悪い言い方をしやがる。
正直面白くない。
海なんてナンパ野郎の巣窟だ。
なんでそんな奴らに牧野のほっそりとした手足を惜しみなくさらけ出す水着姿…。
そしてそんな可愛い姿であの眩しすぎるほどの笑顔を振りまかれた日には勘違いする男が続出すること間違いない。


「へぇ…で、どこ行くんだ?
 海ならうちだって
 別荘いくつかあるぜ?
 プライベートビーチもあるから
 そこ使っていいから、行って来いよ」

「いや、いい。
 だって海の家とかないでしょ?
 そういうのも楽しみたいのよ」


は?だからそんな所に行ったら男たちがわんさか………


「だからごめんね。
 じゃあ、また次のお稽古で」


は?さらに次の稽古まで2週間あるんだぜ?
それまで会わねぇつもりかよ…


そそくさと逃げるように帰っていく牧野の背中を見ながら俺は考えていた。


********


当日。
俺は桜子になんとか頭を下げて、牧野の行き先を聞き出していた。


牧野はバイト仲間と3人で電車を乗り継いで由比が浜に行くらしい。


帰りには牧野の友達とやらも、最悪乗せてきてもいいように、こういう時のための愛車カイエンに早朝に乗り込んだ。

いざ出発となったら、家の目の前には誘ってもいない類とあきらの姿が………


「総二郎、ずるい、
 俺も牧野の水着姿見にいく」

「類…そのために早起きしたのか?」

「当たり前でしょ?
 俺が見なくて誰が見るの?」


いや…俺が見ればいいんだけど…
それにしてもそんなに眠いなら来るなよ。


「悪いな、総二郎。
 桜子から情報貰ったんだ。
 抜け駆けはだめだろ?」


お前…日本の海なんて絶対に嫌だろうがよ。


有無を言わさず、乗り込んできた二人に盛大なため息がでる。


仕方なく男二人を乗せて向かった由比が浜。
着いた瞬間、朝の俺以上のため息をついたのはあきら。


「なんでこんなところに………」

「だったらあきらは帰ったら?
 あ、牧野いた」


あきらには冷たい言葉を放ちながらも、海に視線を向けていた類が早速牧野を見つけた。


類…お前すごいな。
この人混みの中、いとも簡単に牧野を見つけるその能力に脱帽だ…


「早くしないと、ナンパされてる」


類の一言で、車の中で猛スピードで着替えた俺たち3人。

ビーチに降り立った瞬間に女たちがキャーキャー騒ぎだした。
しかしここでは類の『近づくな』とばかりに吹き荒れるブリザード効果が威力を発揮。
誰も俺たちに声をかけることすらできない。


それをいいことに類が先頭を切って牧野のいる方へと進んでいく。

類…
15年以上友達やってきて、初めて知ったよ。
こういう時の行動力ってすげぇなと感心する。


「まきの~」


そして類のひと際大きな声が響き、牧野が振り返った。


「え?皆どうしたのよ」


牧野の後ろではバイト仲間の子だろうか、二人の女の子が俺たちを見てキャーキャー言っている。


牧野は、白地がベースのヤシの木などが描かれたビキニ姿で…
色白のほっそりとした手足に決して大きくはないけど、色白のふくらみが押し込まれていた………

きっと俺たち3人とも同じところを見ていたはずで…

俺は慌てて自分が羽織っていたパーカーを牧野にかけた。


「ちょっと、なによ。
 今から海に入るの。
 いらないってば」


なんて脱ごうとするのを制しているうちに、あきらが他の二人に一緒にいることの許可を取っている。

そこで忘れていたが、つい今しがたまで牧野達をナンパしていたであろう男たちが目に入った。


「そういうことだから、
 他当たってくれる?」


俺たち3人を目の前に、勝てる集団がいたらそれも見てみたい。
逃げるように去っていく3人を牧野が申し訳なさそうに見ていた。


「ちょっと、あんたたち。
 あんたたちがここに来るはずないでしょ?
 あたしの邪魔しに来たの?」

「牧野ひどい。
 牧野と一緒に遊びたかっただけだよ」

「類?だって類はインドア派でしょ?」

「うん。だからここで牧野とお昼寝する」

「は?海まで来てここでお昼寝?
 それありえないから。
 勝手にここでお昼寝していて」


パラソルの下で足に日焼け止めを塗っている牧野に隣を指さされ、そこに横になった類は…
本当にその直後眠りに落ちた。


おいおい…ここまで来て眠るってすげぇな。


ちらっとあきらを見れば、牧野の連れ二人があきらの両腕にしがみついている。


「ちょっと、あなたそっち行って。
 私が美作さんと一緒に遊ぶの」

「なに言ってるのよ。
 どうみてもあっちの二人は
 牧野さん狙いでしょうよ。
 あんたこそ、そこで寝ている
 花沢さんの横で寝顔見てれば?」


あきらを狙っての大乱闘。
牧野が慌てて止めようとするが、邪魔するなとばかりに放り出されている始末。


「牧野。お前には悪いが
 あの二人はあきら狙いだ。
 気が済むまでそのままにしておこう。
 類は寝てるし…
 俺たちだけで海に行こうぜ」


さっと牧野のパーカーを取り、お互いにさっさと日焼け止めを塗る。

その間も気持ちよさそうに眠る類とあきらを挟んでさらにヒートアップしている牧野のバイト仲間。


そっと牧野の手を引いて立たせ、そのまま手を引いて海に入る。
その間も俺たちを見ている数々の視線に気が付いた。


女たちはいい。
でも男たちの視線が気に入らなくて、海辺まで急ぎ足になる。
ようやく海に足を入れると


「キャー、冷たーい」


なんて言いながら牧野が俺に向けた満面の笑み。
灼熱の太陽にキラキラした海辺、そこに牧野の笑顔…
それを独り占めしているのは、俺…


周りの男たちの視線も先ほどよりも感じて、思わず牧野の腰に手を回しながら、もっと深い部分まで連れていく。
途中で…足が付かなくなって思わず俺にしがみついた牧野に…
周りの男たちが落胆したのがわかった。


ふん。てめぇらなんかは牧野に釣り合うわけねぇだろうが…
しょうがねぇな、留めさしてやるか…


「牧野」

「ん~?」

「俺、牧野が好きだわ」


まだ諦められないようにこっちを見ている男たちにしっかりと見えるように、牧野の唇に唇を重ねる。


驚きで…固まってしまった牧野をそのまま抱きかかえて、そのまま牧野の意識が戻ってくるまで海で漂っていた………


意識を取り戻して、俺の腕の中でパニックになっている牧野と…
遠くでは、もみくちゃにされているあきらと、なぜかこっちを睨みつけて座っている類…
そして初めて、こんなに幸せに笑っているだろう俺…


夏の海の意味合いも、どうやら今年から変わったものになりそうだ。






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Posted by桃伽奈

Comments - 4

There are no comments yet.
さな  

るいか様 こんにちは。
イベントに参加されているはずなのに、なかなか出てこられないから、待ちぼうけ食らうところでした。
ドイツはどうですか?
そしてフランスのW杯優秀おめでとうございます。
毎日20:00の楽しみが、なくなってしまってさみしいです。
このお話は、20代の私にとっては近しい気分を味わえるもので、夏の楽しさを感じさせていただきました。
海、行きたくなります!
楽しいお話ありがとうございました。

2018/07/16 (Mon) 15:50 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

オモロカッタ♪(笑)
いやいやなかなか楽しい海のお話
るいか様♡ ありがとうございました♡
しかし総二郎も驚いてたけど
類海に来てすぐつくしを見つけたとこ凄かったですね。
海なのにブリザードを吹かす男花沢類(笑)
でも、あっさり寝てるし(笑)何しに来たのー!
かと思ったら、座って睨んでるし、
なんか一つ一つの動きが動物みたいで面白かったです♪( *´艸`)
あきら日本の海は確かに無理そう。バイトの友達のバトル
他は無駄だと瞬時に判断したふたり、あきら美味しい餌状態でしたね。
そして総ちゃん、
つくしにパーカー渡したり、腰をもって海の深いところまで連れてくところも
足のつかないところで抱き着かせて「好きだ」と告白するところも
みんなよかったです(≧▽≦)♡
ちょっとずるいけど、それも魅力に変わり、許されてしまう男なんですよね♡
楽しいキュン話ありがとうございました♡

2018/07/16 (Mon) 16:01 | EDIT | REPLY |   
イベント管理運営本部  
さな様

お待たせしました!
コメント苦手なのにありがとう。
さらにメールまで送ってくれたのに返信が遅くなってごめんなさい。
海に行きたくなりました?
ぜひ週末はダーリンと海水浴に行ってきてくださいね。
20代の夏はキラキラしていて楽しかったのを思いだします。
素敵な夏を過ごしてくださいね(^^♪

2018/07/19 (Thu) 21:15 | EDIT | REPLY |   
イベント管理運営本部  
さとぴょんサマ

ありがとうございます!
類だったらどんなに人ごみの中でも見つけてくれそうだけど、見つけたら疲れて寝ちゃうかもって思って書いたお話です。
常夏の海でブリザード吹かせてくれたら涼しいだろうし、類と一緒に海行きたくないですか???
目の保養にももってこいですしね。
総ちゃんは………
日本版少女漫画の海キュンポイント満載でお届けしました(笑)
少しでも楽しんでいただけて嬉しかったです(^^

2018/07/19 (Thu) 21:15 | EDIT | REPLY |   

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