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桃伽奈

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Posted by桃伽奈

扇風機は見た!(theme [electric fan])

桃伽奈


暗い……。

すっげぇ暗い……。


そろそろ出してくれてもいいんじゃねぇか?そういう季節だろう?
ここ、暗い上に超暑いんだけど。それに俺の頭にビニール袋かぶせてるだろ?息苦しいってもんじゃねぇ!
そう思っていたら遠くで懐かしい声が聞こえた。

「ただいまー!お母さーーん、いるー?」

ん?西門に嫁に行ったつくしの声じゃねぇか?里帰り…まさか西門を追い出されたんじゃねぇよな?
相変わらず元気のいい声だなぁ……。確か2人の子供がいるんじゃなかったっけ?お転婆だったつくしがもう親かぁ…なんてことを考えていた。

「あら、つくし、どうしたの?総二郎さんは?」
「総二郎は家でお仕事中よ。悪いんだけど貸して欲しいものがあるのよ。押し入れにあったと思うんだけど」

「何を?うちから西門に貸すものなんてないんじゃないの?」
「それがあるのよ……確かここじゃなかったっけ?」

ガラッと俺が寝てた押し入れが開いて、外の光が俺の羽を照らしやがった!

眩しっ…!急に開けられると眩しいじゃねぇか!
クラッとしたが倒れてる場合じゃねぇ。つくしがじーっと俺の事を見てやがる。ビニール袋越しだからよく見えねぇけど、こいつも全然変んねぇなぁ……子供みたいな顔しやがって。

「お母さん、この扇風機、私にちょうだい?」
「え?そんなものを?いいけど西門には似合わないんじゃないの?ボロボロの古い扇風機だよ?」

「いいのいいの!動けばいいんだから!ここにあるのにわざわざ買わなくてもいいのよ」
「そうなの?じゃあ持っていけば?うちもやっとエアコン付けられるぐらいになったから今年、捨てようかと思ってたのよ」


なんだってーーっ?!
黙って聞いてりゃこの俺を捨てるだって?
しかも誰がボロボロで西門に似合わないだと?!
今まで俺がどれだけお前らの熱を冷ましてやったと思ってんだーっ!



しかも動けばいいって、この俺をこんな所に放り込んでおきながらよく言うな!スイッチ入れてから文句言えよ!
自慢じゃないがまだメッチャ動けるからな。ブンブン回ってやるぜ?嘘だと思うならコンセント、差してみやがれってんだ!

言いたいことは山ほどあったがなんせ扇風機だ。喋ることは出来ねぇから黙っておいた。


そしてつくしは俺を抱えて車に乗り込んだ。
ガシガシ何処かに当てていくけど、もう少し優しく扱えねぇのかよ!昔っから乱暴なヤツだとは思ってたけど、マジ成長してねぇな!

だが乗った車はリムジンとか言うデカいヤツで乗り心地はサイコー!
自分が「最新型DCモーター搭載扇風機」だと勘違いしそうなぐらい気分が良かった。いや、もう10年以上前の扇風機だけどよ。

しばらくしたらもの凄くデカい屋敷に着いた。

なんだ?この家…一体いくつ部屋があるんだ?いくら俺が優秀でもこれだけの部屋に風なんて送れねぇけど?って冷や汗もんでつくしに抱えられたままどんどん奥に入っていった。

結構歩いてから割と小さな部屋に連れてこられて、俺はそこの真ん中にポスッと置かれた。
やっとここで頭のビニールをとられて息苦しさから解放され、思いっきり深呼吸!クンクン……いい匂いのする家だな。

「これでよし!あとは2人に使い方を教えるだけだわ。これでエアコンから少しは解放されるといいんだけど!」

ははぁ…そういうことか。
最近の子供は小さい頃からエアコン慣れしてて汗をかかないって言うからな。


ここで扇風機から一言。
能動汗腺の数ってのは体温調節機能に大きく関わる。重要なことは能動汗腺が発達するのは生まれてから約3年間だけってこと。
つまり、3歳までに高い気温にさらされて育った方が能動汗腺の数はより多くなるわけだ。そして3歳以降、生涯能動汗腺が増えることはない。
昔は生まれたての子供も夏はうだるような暑さの中で暮らしてたけど今は違う。心配性な親が夏でもエアコンの効いた部屋で快適に過ごさせてる。
その結果、汗をかく機会が減った子供たちの汗腺は発達できずに汗をかかない体質になっちまうんだ。

ここで問題。
汗をかかないとどうなるかって事だ。
汗腺が発達せず、汗をかくことのできない子供はまず夏バテする。体の熱を発散することができないから疲れが溜るんだな。
暑くなるとキレやすいってのも汗をかかない子供の特徴だ。

で、意外だが熱中症になりやすい。
気温が高い時や激しい運動をした時も、汗をかかないから体内の熱を発散できねぇ。だから比較的短時間で熱中症にかかりやすい体質になってちまう。

怖いのは低体温症だ。
体温が上がっても発汗で調節することができないから体の方が別の防御反応を取るようになる。生命活動による発熱をできるだけ低くしようと基礎代謝を低くするわけだ。これが「低体温症」の原因。近頃は低体温児が多いらしいぞ?子供のくせに平熱が35℃台の子供がめっちゃいるんだ。
こういう子は免疫力も低下して風邪などの感染症にかかりやすいし、そして治り辛い。花粉症なんていうアレルギー症状も出やすくなるんだ。

つくしは子供の時から汗かきまくりだから元気いいんだろうなぁ…。
いっつも俺がその汗を吹き飛ばしてやってたから、今度はここの子供に同じ事をしてやればいいんだな?

うんうん、実にいいことだ。

そんなことを思っていたらこの部屋につくしが子供と旦那を連れて来た。総二郎とかいう…なかなかイイ男だな。
そして子供は2人。そっくりだけどもしかして双子か?

「ほら!これが扇風機だよ!これからはこの扇風機で涼みなさい。あんまりエアコンばっかりは良くないわ。身体が冷えすぎて汗かかないし。総二郎も使っていいからね!」

「マジでこんなもの持ってきたのかよ。これで涼しくなんのか?」
「なるわよ。っていうか健康のためなの!総二郎はお茶室にエアコンがないから汗もかくでしょうけど、書き物するときはガンガンにエアコンかけてるでしょ?私、総二郎の部屋に入ったら凍えそうだもん!」

「凍えそうなら抱き締めてやるのに」
「子供の前で何言ってんのよ、やめてよ、バカ…!」


おいおい…俺の前で夫婦喧嘩すんなよ。
って、2人を眺めてたら子供の方が俺の前にちょこんと座った。そしてカバーの隙間から指を入れて手動で動かしてる。
ははっ!擽ったいからやめろって!
しかもそれじゃ風なんで起こせないし、むしろ俺が働いてる時にそんなことされたら指が吹っ飛ぶぞ?つくし、なんとかしろ!

「あーっ!ダメだよ!紫音しおん花音かのんもそんなところから指突っ込んじゃ!スイッチ入れたら凄い速さで回るんだからね!」

「はーい、お母様、ごめんなさーい!」
「ねぇねぇ、これが動いてるところ見たーい!」

「動くのか?こいつ、何年前のだ?」
「さぁ?私が学生の頃からだからねぇ、10年は経ってるわ。じゃあ、回してみようか!」


おっ!とうとう俺が動く姿を見せる時が来たってか?よしよし、さぁ!コンセント、差し込んでくれっ!
久しぶりに俺の中にエネルギーが注入されて、つくしが「入」をポチッと押してくれた!見てやがれ、ガキ共ーっ!!

ブゥィーーーーーン……!
「「きゃああぁーっ!風が来るーっ!」」

どうだ、わかったか!俺は今でもブンブン回れるんだよっ!
つくしの子供達は喜んで俺の目の前に同じ顔を並べてやがる。そして総二郎って旦那も変な顔して覗き込んだ。

「なぁ…風が来るのはいいが、正面以外は暑くね?」
「そりゃそうよ。体感温度下げるだけだもん、室温は下がらないわよ。それでもこの方が身体にはいいのよ?それじゃ2人とも涼んでてね。指入れちゃダメよ?」

そう言ってつくしは昼飯の準備とかで部屋を出て行った。


「なんか面白いねぇー…あれ?」
「どうしたの?花音」

「紫音、ねぇねぇ、ここでお話ししたら声が変るよ?喋ってみて?」
「え?ホント?…なんて言うの?」

「あーって…ほら、一緒にやろ?お父様も!」
「え?俺も?」
「うん!」

「「あ~あ~あ~…あっははは!ホントだぁ!声が変わるぅーっ!」」


ここで扇風機から一言。
どうして俺が回転している時に声を出すと声が震えるように聞こえるのかということだが、答えは実にシンプル。
俺の羽に当たる声と、そのまま羽に当たらず通り抜けていく声の2つに分かれるからだ。羽に当たった声はお前達に跳ね返されるから大きく聞こえるが通り抜けた声は小さく聞こえる。

それが交互に聞こえてくるから”宇宙人声”になるわけだ。羽の枚数が多かったり回転が早かったら宇宙人声は小刻みになるんだな、これが!


3人はそれからも俺に向かって「あ~あ~あ~」の大合唱。どうでもいいけど煩いんだって。
俺が久しぶりに気持ちよく回ってんのに少しは落ち着け!まったく…!


そしてこいつらはしばらく遊んだら俺を置いて何処かに行きやがった。
でも、何故か総二郎が周りを気にしながら戻ってきたんだ。で、もう1回俺のスイッチを入れた。

なんだよ…俺に興味があんのかよ。

そしたらこいつ、何考えたんだか後ろに回って、俺の背中から「あ~あ~」って言い始めたんだ!

「……なんだ、後ろからじゃ声って変わんねぇんだな…変なの」


馬鹿野郎!羽の構造だろうが!
前の方に角度付けて傾いてるから
後ろからじゃ変わんねぇんだよーーっ!!


いい歳してなにしてんだ、こいつ…鬱陶しい!!



夕方になって今度はつくしが1人で俺の前に来た。
こいつまでキョロキョロして周りを気にしてる。なんだ?まさか夫婦で同じ事、するんじゃねぇよな?

そう思ってたらまた俺のスイッチを入れて目の前に立った。

なに?…何すんだ?

不思議に思ったけど自力じゃ止められないから俺はブンブン回ってたけど、そしたらつくしのヤツ、いきなり自分のワンピースの裾を持ち上げた。そして俺の身体にそのワンピースをバサッと掛けたんだ!

「いや~ん!やっぱりこうすると涼しい~!昔はよくやってたのよねーっ!」


ワンピースだから上の方まで風船みたいに膨らんでつくしの身体が丸見え…!

…今日はピンクか。こうしてみるとつくしも大人になったなぁ…。
昔はアニメキャラのパンツだったのに。
しかも上下お揃い……裕福になったんだなぁ。このやけに布が少ないのは総二郎の趣味か?ま、いいけどさ。

しばらく俺で身体の熱を取り去ったらつくしはスイッチを切ってまた何処かへ行きやがった。
ヤベ…ちょっと興奮した。


つくしがどっかへ行ってから数分後、また総二郎が戻ってきた。今度は何なんだ!
そして俺をじーっと見て…またスイッチを入れやがった。今度は横から「あ~」とか言うんじゃねぇだろうな!

でも、こいつもキョロキョロとその辺を見廻して誰もいないことを確認してる。この家の人間は人に見られちゃヤバいことしかしねぇのか!いいから早く涼んでどっかに行ってくれ!そう思っていたら…。

今度はこいつが自分の着物の裾を開いた……えっ?!まさか、こいつ…つくしがしてたのを見てたのか!
で…もしかして同じ事を?!

何度も言うが俺は自分でスイッチを切れないからすげぇ嫌な予感がしたけどブンブン回っていた。
そしたらやっぱりこいつが俺の身体に自分の着物をバサッと…!!

当然風で着物の裾は捲れ上がる。俺がしたかったワケじゃないが総二郎の着物は見事に腰の位置まで舞い上がったさ!


だからなんで男のパンツを見なきゃいけねぇんだよっ!!
そんなもの見るためにここに来たんじゃねぇっての!
自慢のモノを早く退けろーっ!!💢



「あれ?別にそこまで涼しくねぇじゃん……変なの。なんでつくしは涼しかったんだ?」


お前が帯で風の流れを止めてるからだよっ!
俺のせいじゃねぇからな!バーカ!!



この夏、俺は何度かつくしのパンツは見ることになったが総二郎はこの1回で終わった。


困ったのはたまに夫婦の寝室に連行されたこと。
拷問のような熱帯夜は俺の風だけじゃどうしようもねぇんだけど…な。






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Posted by桃伽奈

Comments - 4

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スリーシスターズ  

Plumeriaさん、こんにちは。
扇風機と言えば、声を出して宇宙人になる!
そんなお話が続いて、皆さん考えることは同じ!!
そして、絶対昔やってましたよねv(^o^)
Plumeriaさんのお話、扇風機から見た総二郎くん&つくしちゃん家族に笑えました~(o^O^o)
最初電車の中で読んでたんですよ。
笑いを押さえるのが大変で、顔がにやけて、周りの人は変な人だと思っているだろうな~と。
扇風機さん、つくしちゃんのパンツはたくさん見れて良かったのかな!?
でも、夫婦の秘め事は、あまりたくさん見たくないですよね~(笑)
熱帯夜に秘め事の熱もプラスされて、扇風機では冷ませませんし、扇風機も恥ずかしい(///∇///)
楽しいお話でした~!

2018/07/20 (Fri) 15:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
スリーシスターズ様

こんにちは♡
ご訪問&コメントありがとうございました!
あはは!電車の中で・・・それはそれは(笑)
ヤバかったですねぇ!申し訳ないです、こんなアホな話で・・・。
扇風機と言えばあ~あ~あ~・・・これは誰かが考えるだろうと思って、あえて扇風機になってみました!花男二次初(かもしれない)扇風機目線♡
提出したときも「最初、総ちゃんが喋ってるのかと思えば!」って言われました。
そうなんですよね・・・言われて気が付いたんですが、牧野家で使われていた扇風機なのに口調が何故か総ちゃん・・・あれ?みたいな(笑)
今年の夏は見たくないものも沢山見せられてしまう可哀想な扇風機のお話し・・・
笑っていただけて良かったです♡

2018/07/20 (Fri) 16:25 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

ぶははは(≧▽≦)♪
オモロカッタ♪
いいね、この「~は見た!」シリーズ!
シリーズちゃうけど。
おお神よ・・
Plumeria様がついに扇風機に魂を吹き込みなすった・・・
感想・・・
ほんとに生きてるみたいでした(笑)
っていうか、この扇風機めっちゃ博学じゃない?
やくみつ〇かと思ったもん。
喋りは総ちゃんだけど。
それに今回も凄く勉強になりました。
相変わらずいろんなこと知ってますね。
で双子ちゃんも可愛かったけど
一人で戻ってきて、扇風機の後ろから
あ~あ~やってる総ちゃんが可愛かった( *´艸`)♪ぷぷぷ♪
そしてつくし、ワンピースのスカートふわり
懐かしいですねぇ♪これよくやりましたよね。
アニメキャラから布生地の少ない総ちゃん好みのお揃い(笑)
諸々から、つくしの成長を感じる扇風機。
裕福になったなぁ・・・ってとこが地味にウケました。
で、
ヤベッ…ちょっと興奮した。ってとこがいちばんウケタ(笑)
しかしこの総ちゃん、動きがこそこそ怪しくて笑えた。
で、ついに総ちゃんまで着物でふわり。
扇風機・・・
眼福じゃん!
扇風機になりたい!(≧◇≦)♡
ここばかりはそう思ってもお許しを。
・・・でも総ちゃん、パンツはいてたんですね・・・。
でもいいよ。パンツはいいてても我慢するよ・・・。
ほら、よく女の人は着物の下は線が見えるからはかないとかいうじゃん?
今更だけど、総ちゃんの場合は普段どうなわけ?
素朴な疑問。
『 扇風機は見た!(夫婦の寝室~熱帯夜より熱いふたり~)』
続編楽しみにしてます♡

2018/07/24 (Tue) 13:25 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
さとぴょん様

あっはは!笑っていただけましたか?
こんな馬鹿な話を書くのは私ぐらいですよ。
ホント、ごめんなさい!でも・・・可愛いかったでしょ?
ここだけの話・・・(にはならないけど)
公開予定表ってのがあってね。たとえば・・・
「海・plumeria・総」「花火・plumeria・類」とか書いてあるんですよ。
それなのにこの扇風機だけ「扇風機・plumeria・扇風機」ってなってたの。
これ、一応総ちゃんなんだけど・・・って言ったんだけど、「これは扇風機でしょ!」で終わって、総ちゃんの括りに入れてもらえなかった・・・。
まぁ、いいんだけど。
で、着物の下には基本はいております。(と、本には書いてございます)
がっ!しかし・・・世の中には多少、そう言う方もいるそうです(これは人に聞いた話)
私の総ちゃんははいております!!
このお話でも自宅の話でも、妄想の中でも全部はいておりますとも!(そこまで力入れるなって?)
続編・・・?何言ってるんだろう、さとぴょん様。
聞こえな~い(笑)

2018/07/24 (Tue) 16:46 | EDIT | REPLY |   

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