Welcome to my blog

スポンサーサイト

桃伽奈

-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

『夫婦の日』のお話し 中編

桃伽奈


つくしに会ったらこうして…ああして…
あっあれも捨てがたい…
うーん…どうしようかな♪

頭の中にあるプランを巡らせながら、つくしの反応を想像するだけで楽しくてたまらない。
なかなか思うように進まない車内でも類は機嫌よくハンドルを握っていた。

目的地まではもう目と鼻の先…という所まで来て赤信号に捕まった類は歩道に目を走らせる。

もしかしたらつくしがいるかも♪

うきうきしながら歩道を見ていた類の表情は一変する。
その視界に映るのはウェディングショップから出てくるつくしと総二郎。

………。

楽しかった気分が消え去ると同時に車内の空気までもが一瞬にして冷ややかになった。

いや…あれはきっと総二郎が……
うん、そうに決まってる
でも待って
もしかして総二郎に見せたってこと?
ううん…つくしがそんなことするわけないし

それに今日は………

決して見過ごす事の出来ない光景だったのは言うまでもないが、疑念の矛先が向かうのは総二郎。つくしとの信頼関係はこんな事で揺らぐものではない。

青に変わった信号に促され、類は気を取り直し待ち合わせ場所へと再び車を走らせた。



約束の時刻をわずかに過ぎた頃、つくしが待ち合わせ場所に着くと、車体に凭れるようにして立っている類の姿が見えた。
類は少し顔を上げ、晴れた空を眺めている。その端麗な横顔に、つくしの胸はドキンと高鳴った。
―ホント、何してても絵になるんだから…。

「ごめんね、類。少し遅れちゃった」
本当は充分間に合うように家を出たのに、途中でウェディングショップに立ち寄ったために遅れてしまった。
つくしが小走りに駆け寄ってくるのを、類はいつもの笑顔で出迎え、助手席のドアを開けた。
「俺も今来たとこ。…じゃ、行こっか」
「ありがと。今日はどこにいくの?」
つくしはまだ行き先を教えてもらっていない。類は柔らかく笑んで、それには答えなかった。
「…内緒。楽しみにしてて?」


「運転、うまくなったよね」
車が首都高速の本線にスムーズに合流すると、つくしがしみじみと呟いたので、類は苦笑せざるを得ない。
「…いつの話してるの?」
「だって最初のドライブのとき、類の運転が強烈すぎて西門さんと顔面蒼白になったもん」

―総二郎。

つくしの口から飛び出した親友の名を、いまだけは聞きたくない気がした。
先ほど見かけた二人の姿が脳裏に鮮明にフラッシュバックし、類はきゅっと唇を噛む。
愛する恋人を、旧知の友を、信じないわけではない。…でも。

「あのさ。……今日、総二郎に会った?」
「…えっ?」
決して疚しいことをしたわけではないけれど、自分から話す前に、類の方からそれを言い出されたことに、つくしはひどく動揺した。

―類、見てたのかな。…どこから?

親友の吉報を受け、自分も類との結婚を意識してウェディングドレスを見つめていた、なんてこと。

―類には、知られたくないな。
―だって、まだそんな話、出たことないんだもの…。

つくしは言葉につっかえながらも、必死に説明を始めた。

「あのね、優紀が結婚するらしくてさ…。優紀ならどんなウェディングドレスを選ぶのかなって眺めてたら、西門さんがちょうどお店の前を通りかかってね。…な、なんかさ、勘違いされちゃって、一緒にお店に入ることになっちゃったんだ…。で、でもっ、お店はすぐに出たから!」
「…へぇ」

つくしがこんなふうによく喋るときは、どこかにウソがある。
類はこれまでの経験からそれを学んでいた。
―とりあえず、総二郎を追及するのは決定事項だね?

つくしはつくしで、無意識のうちに膝に抱えた鞄をきゅっと抱き寄せていた。
そこには、店を出るときにもらったドレスのパンフレットが入っている。
―これ、絶対見られないようにしなくちゃ…。

双方の複雑な想いを乗せたまま、車は一路、目的地へと向かった。




類が運転する車は静かに、音楽も会話もなく都内を走っていた。

楽しいはずのデート…それなのにつくしの表情が暗くなってしまった。
横目でチラッとつくしを見ると鞄を抱えるようにして持っている。しかも少し手が震えてる…?

総二郎の名前を聞いてしまったからジェラシーなんて感じてイヤな言い方したかな…。


類は自分の不用意な一言に小さく溜息をついた。こんな表情をさせるために約束したわけじゃないのに…。
そして久しぶりに2人で楽しもうと思っていたテーマパークでのデートを急遽ある場所に変えた。

いつも部屋でゴロゴロしてばかりだから今日はつくしがはしゃげるようにって思ったんだけど…。


計画では思いっきり楽しんだ後で夜景の綺麗なレストランに行き、そこで正式に申し込む…だったのだが、このまま向かってもつくしの楽しい顔は見られないと思った。


「あ、あれ?類、なんか行き先が変わったの?方向…こっちでいいの?」
「うん、ごめん。少し変更したんだ。でもきっと喜ぶと思うよ?」

「でもさ…この先って」
「くすっ…いいから」


しばらく走っていたらつくしの表情が変わってきた。
握り締めていた鞄から手が離れて今度は窓に顔を寄せてる。どんどん近づいてくる”そこ”にほんの少し口元を緩ませていた。
小さく聞こえた言葉は「懐かしい…」だ。
類はその言葉を聞いて自分も少し気分が和んだ。

本当のことは後でゆっくり聞こう。大事なことは『つくしを信じてる』ということだから。


そして類が新たに決めた目的地に着いた。

「さぁ、降りて。行ってみない?俺達の思い出の場所…」


2人の目の前にあるのは懐かしい英徳学園…あの非常階段のある場所だ。






banner_soujiro_gip.jpg

nainai.png

banner_soujiro_plumeria.jpg
関連記事

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

Comments - 4

There are no comments yet.
スリーシスターズ  

こんにちは。
あ~(>_<)
やっぱり類くんに見られてた~(*_*)
類くんつくしちゃんのこと信じてるけど、やっぱり妬いちゃいますよね!
類くんテーマパークに連れていこうと思ってたけど、行き先変更。
着いた先は懐かしの英徳の非常階段。
類くん今日のデートで色々思い描いていたこともあったけど、やっぱりこの場所が一番思い出が詰まってて、一番しっくりきたのかな~?
類くん、つくしちゃんに何を言うのかな~
ちょっとドキドキですね。

2018/08/22 (Wed) 16:29 | EDIT | REPLY |   
類くん中編代表  
スリーシスターズ様

こんばんは~!
コメントありがとうございます♪
そうなんです~、見ちゃいました!
なんて間が悪いんでしょうね~( ̄▽ ̄;)
気を取り直したつもりでもついつい…ですよね。
が、そこは類くん!
ちゃんと考えてます♪
思い出の場所に着いた2人。
この後はいよいよ……?(///ω///)♪ムフフ
ラストもお楽しみくださいませ~(*`・ω・)ゞ
中編代表
Gipskräuter

2018/08/22 (Wed) 18:19 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

Gip様
nainai様
plumeria様
お話ありがとうございます♡
そうちゃんとつくしを目撃するも
総ちゃんの仕業だとすぐ見破る類くん流石です。
ほんとの気持ちを言えないつくしに怒るのでなく
そうさせてしまったことを気遣う優しさ。
行き先をさっと変更し気持ちを切り替えるところも
機転をきかせさりげなく行動する類くん
素敵だなって思います♡(*^^*)
続き楽しみにしてます♡

2018/08/23 (Thu) 00:28 | EDIT | REPLY |   
nainai  
さとぴょん様

こんばんは。返信が遅くなりました。
いつもコメントありがとうございます(*´ω`*)
すでにこのリレーのエンドもご存知だと思いますが、双方の想いのベクトルが予期せぬ方向へ向いてしまう中編でした。
“好きでいることは信じること”なんですよねぇ。分かっちゃいるけど不安になりますよね。
内容が内容だけに…。
さて、ベクトル修正のため動き出したのはやっぱり類でした。
辿り着いた先は、二人の思い出の非常階段。
ビシッと決めてやって!と後編に託したリレーでした。
お楽しみいただけましたら幸いです♪♪
3人を代表しまして、nainaiでした。

2018/08/23 (Thu) 20:10 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。