Welcome to my blog

スポンサーサイト

桃伽奈

-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

『夫婦の日』分岐①朝顔姫編

桃伽奈


言われた通りにバスルームに戻ってローブに袖を通した。

なんかおかしくね?
なんで吐いた肉のこと気にしてんだよ?
で、言うに事欠いてパンツだと?
人が心配してるってのになんて言い種だよ?!

部屋に戻るとつくしはまたゴクゴクとミネラルウォーターを飲んでいた。

「だから食い過ぎるなって言っただろ。
便器に食わせてどうすんだよ?」

「だ…だって……美味しかったんだもん……」

「お前…何回やったら気が済むんだよ。
一度や二度じゃねぇだろ?
西門で何も食わせてねぇみたいじゃねぇか」

「ごめん…今度から気をつける……」


脳裏に浮かんだのは二人で地方に赴いた時の記憶。

今回と同じような場面に遭遇した俺は内心、妊娠を疑った。

そりゃあ嬉しかったさ!
あの頃は確か…結婚してまだそんなに経ってなくて、こんなに物事が上手く進んでいいのか?なんてほくそ笑んでた。

けど翌日病院に訪れてみれば何てことはない。
ただの食いすぎだと判明した。

がっかりなんてもんじゃないさ。
そりゃあつくし自身が一番がっかりしただろうから口には出さなかったけどな…。

で…こいつは事もあろうか同じことを何度も繰り返す。
これで何度目だよ?
いい加減学習しそうなもんじゃねぇか?


つくしは空になったペットボトルを手に気まずそうに俯いている。
今回ばかりは流石に不味いと思ってるんだろう。

こんな顔させたいワケじゃねぇんだけどな……。

隣に座って手からペットボトルを抜き取り抱き寄せた。

「もう大丈夫か?
休みで旅先だし気が緩むのは構わねぇけど、気をつけろよ?」

「…うん…ごめん……」

か細いその声を聞いたらこの後…なんて何も出来やしねぇ。

「大丈夫なら風呂入ってこいよ。
今日はさっさと寝ようぜ」

素直に立ち上がりバスルームへと入っていく後ろ姿を複雑な気持ちでみつめていた。


最初から最後までつくしに振り回された1日だった。
けどまぁ休みは始まったばかりだし?
明日からはのんびり出来るだろ。

ベッドに移動しそんなことを考えながら横になっていた俺はどうやらそのまま寝ちまっていた。



その後の俺たちはのんびりと穏やかな『これぞ休日!』という日々を過ごしていた。



朝市に行く途中……迷い込んだ路地裏で、北海道では珍しい朝顔の花が咲いていた。関東と比べて少し小ぶりだったが、己の存在を主張するかのように薄い花びらに朝露を纏いキラキラと輝いていた。

「 朝がほや
     一輪深き
  淵のいろ 」

つくしが蕪村の句をそら
んじながら、青く咲く朝顔を見つめている。

一生懸命に見つめる小さな肩が愛おしくて、両手いっぱいに包み込みながら

「なぁ、朝顔の別名知ってるか?」

そう聞けば、こちらを振り向き小さく首を傾げる。

「牽牛花って言うんだ」

「牽牛って、七夕様の?」

「あぁ、彦星のことだ。
でな、もともと朝顔は縁起のいい花だしな、七夕の次の日に朝顔が咲くと二人がきちんと出逢えた証なんだとか話しが出回って、その内、二人が無事出逢えるようにって朝顔を短冊と共に飾ったらしいぞ。

織姫は朝顔姫で、それが転じて朝顔も朝顔姫って呼ばれるんだとさ」

「へぇ なんだか風流だね」

「まぁ、旧暦の七夕と言やぁ、朝顔最盛期だから江戸の商売人の売り口上ってヤツだろうな」

瞳を合わせ二人で笑う。つくしのコロコロと笑う声を聞けば、愛おしさと共に劣情が俺を襲う。

「くぅーーっ、参った」

「っん?」

「お前がすげぇ欲しい」

つくしは、俺の言葉に耳まで真っ赤に染めながら

「あっ、朝から、何言っ「つくしは、俺が欲しくない?」

言葉を被せ、首筋に舌を這わせて耳を食む。

「ちょっ、ちょっ、た、た、たんま、こ、ここ外」

「チッ じゃ、部屋に戻んぞ」

「えっ、ウニ丼……」

「あとで死ぬほど食わせてやっから」

引きずるように、つくしの手を引き部屋に戻る。

ドアを閉め唇を貪れば、つくしの口端から小さな吐息がこぼれ落ちる。

頭が痺れるほどの快楽の中、
あぁ、俺はコイツに
惚れて 惚れて 惚れて 惚れて 惚れて……惚れ抜いていんだ。

嫌って言うほどに思い知らされ、欲という欲をつくしの身体に注ぎ込んだ。


物音を感じて目を開ければ、隣にいる筈のつくしが消えていて、慌てて飛び起きた。恐怖が俺を襲う。

「つくし、つくし」

大声を出して名を呼べば

「うんっ? 総、どうした?」

暢気な声を出しながら、ヒョイと顔を出す。

安堵と共につくしを抱きしめ、ソファーに座る。

「明日はどこ行きてぇ?」

俺の言葉に


西門うち
に帰りたい」

「あっ、いやっ、でも」

予想だにしなかった返答に、しどろもどろになれば

「コウノトリはまだだけど……家元夫人おかあさま
に帰っても良いかって聞いたら、帰っておいでって言ってくれた…し… ねっ ダメかな?」

「休みは無期限だぞ。なんならこのままずっとお前と二人で生きたって良いってことなんだぞ?」


「うーーーん それも魅力的だけど
朝顔見たら、西門の家が恋しくなっちゃったの

でね、いまのこの状態だと帰らない事のがストレスかなぁって

ねぇ ダメ?」


朝顔の花は、茶人にとって馴染み深い花であると共に感慨深い花だ。

それにだ……こんなに可愛い顔でお願いされたら、断りきれない。軽く息を吐いたあと

「まっ、子作りは家でも出来るしな
じゃ、俺の誘いに拒否権無しっていう約束つきな」

妖しく笑えば、心なしか顔を痙攣らせ

「お手柔らかに……願います」

なんて返事が返ってきた。



「じゃ、つくしちゃん
帰宅前にもう一発!」

有無を言わさず、美味しく頂いた。

俺達を出迎えたのは、花入れに咲いた一輪の朝顔と西門うち
の者達の飛び切りの笑顔だった。

跡取りをとせっついていた周りの者は、俺らが不在の間……いや、正確に言えば、つくしが不在の間に、皆してつくしがこの西門の者達によって如何に大切かを力説し、早く連れ戻すように若宗匠に意見して欲しいと懇願して来たそうだ。

家元と家元夫人親父とおふくろ
が、俺ら二人は仲良く旅行中だと言えば……

『ほな、若宗匠もいらっしゃらなかったと……?
あれまぁ、こりゃ気が付かんかったー』

と、一頻り笑ったあと去っていったそうだ。


何はともあれ、有り難く頂いたその権利……残念なことに行使出来たのは、ほんのちょっとだけだった。

何故かって? 月のもんが来る日を過ぎても胸は張ったままだわ、体温は下がらないわで……フライング気味に検査スティックを試して見れば、見事に一本線が浮かんでた。

俺達二人のリビングの神棚に、
こっそりスティックを捧げた日から二週間……ピコピコ元気に動く心音とやらを確認して貰った。

最上級の喜びと共に、ほんの少しだけピコピコにつくしを取られた寂しさが襲って来たのは、無事に産まれるまでの杞憂ってことにしといたけどな。


終わり






banner_soujiro_gip.jpg

banner_soujiro_asuhana.jpg
関連記事

にほんブログ村 ランキング参加中♪
Posted by桃伽奈

Comments - 6

There are no comments yet.
スリーシスターズ  

こんばんは。
つくしちゃん食べすぎでしたか~(;^ω^)
いや、ちょっと妊娠を疑ったんですけどね。
食べすぎ、しかも前にも同じことしでかしちゃっている!!
総二郎くん本気で怒ってる!?
つくしちゃんも反省しているようだし、せっかくの旅行だし、つくしちゃんにリフレッシュしてもらいたいし、旅行はまだ始まったばかりだし、今日のところはゆっくりお休み💤
ゆっくりのんびり過ごして、つくしちゃんも堪能できて、まだまだこれからって思っていたらつくしちゃんから家に帰りたいとの言葉が。
つくしちゃんらしいですよね。
帰る代わりに総二郎くんらしい約束取り付けていましたけどね!!(笑)
その権利はあまり行使できなかったけど、つくしちゃんの妊娠発覚!!という嬉しい出来事が!!
良かったですね~(*^^*)
寂しさを感じちゃったのは、総二郎くんの胸の内だけにずっとしまっておきましょう!

2018/08/22 (Wed) 18:58 | EDIT | REPLY |   
朝顔姫代表  
スリーシスターズ様

こんばんは~!
コメントありがとうございます♪
うふふ~♪
そう思いますよね~!!
そう思ったら遊んでみたくなっちゃったんです~(笑)
つくしちゃんの食べすぎ…ありそうでしょ?(*´艸`*)
Gipだったらきっとこのまま2人で…に1票です!
でもつくしちゃんだものね~♪
総ちゃん嬉しいけど、ちょっと?だいぶ?ガッカリ?(笑)
でもおめでたには敵いません♪♪
問題も解決してめでたし、めでたし(*´∀`)♪
幸せになってもらいましょう!
明日、明後日の更新もお楽しみに~♪
好みに左右されるかもだけど(笑)
朝顔姫代表 Gipskräuter

2018/08/22 (Wed) 22:55 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

Gip様
asuhana様
お話ありがとうございました♡
ピコピコ編♡
しあわせなラストでしたね。
蕪村の句・・・すてきな句ですね(*^^*)♡
小さな朝顔を一生懸命見るつくしの小さな肩を
愛しさのあまり両手で抱きしめる総ちゃん・・・
の場面がとてもよかったです♡
朝顔姫・・・江戸時代の人ってほんと粋ですよね。
七夕のしあわせなふたりに思いを馳せながら縁起を担ぐ
売る方も買う方もしあわせな気持ちになりますね。
朝顔を見るつくしに欲情しちゃう総ちゃん( *´艸`)
asuちゃん欲情スイッチまたも上手く入れてくだすって♡
惚れて惚れて惚れて惚れて惚れて、惚れぬいてんだ
(*ノωノ)♡温度高めで萌える♡
帰った西門の邸で、西門のみんなと
っして一輪の朝顔が迎えてくれるところも素敵でしたね。
そしてご懐妊おめでとうございました♡
ふたりともよかったね♡

2018/08/23 (Thu) 00:57 | EDIT | REPLY |   
朝顔姫代表  

キュンっとした=欲情スイッチ
むふふふっ
きっと江戸時代の人達も!
あははっ
さとぴょんさんの欲情スイッチはどこかしら?
うふっ 是非教えて頂きたい!

2018/08/23 (Thu) 07:50 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

え?
ワタクシの欲情スイッチがどこかって?
asuちゃんと一緒で、
普通に下半身。
え? そっちの場所じゃないって?
お話の中で?
うーん・・・どう言ったら伝わるのかしらん。
総ちゃんや類くんの下半身に、
膨大なエネルギーが急激に集まった瞬間。
つまり・・・
総ちゃんとか、類くんが、
つくしを無性に抱きたくて、
我慢できなくなった下半身マックスのその瞬間。
キュン♡♡♡ ギュイーーーーーン!!
と欲情スイッチが入る。
え?年中入ってる気がするって?
フル稼働で充電せな、
厳しいリアルを、生きてけへんねん。
今後ともよろしくお願いしますーm(__)m♡

2018/08/23 (Thu) 16:27 | EDIT | REPLY |   
asu  
さとぴょんさま

おっ
普通に下半身なのか
私の欲情スイッチ?
あははっ
飲みに行って話そうかw
って、そっちじゃなくてだったw
おぉー
マックスキュンキュンね
ガシッとガバッとね
よっしゃー
って何によっしゃーだ

2018/08/23 (Thu) 20:16 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。