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桃伽奈

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Posted by桃伽奈

月が赤かったから……本当に完結編

桃伽奈

英徳学園カフェテリアの奥、通称『F4ラウンジ』。
その名の通り、4人がゆっくり寛ぐためのスペースなのだが、ここ最近はあきらの占有スペースとなっていた。
つくしもそのことが気になっていて、時々顔を出していた。
今日も、授業が終わった足でそこへと向かった。
中にはやっぱりあきらしかいない。
その顔は幾分寂しそうに見える。
柱の影で、あきらはつくしに気付いていない。

ならば…。

「はいっ!ひょっこりはん!」

ひょこっと柱から顔だけを出したつくしの顔を見て、あきらはプッと吹き出した。

「おまっ…その顔…!」
「えへっ♪面白かった?あの芸人の真似してみたんだけど…」
「知らねぇよ、そんなヤツ。けど、お前の今の顔は…ププッ!」

再び笑い始めたあきらに、つくしは微妙な表情を見せる。

「ん~…何かちょっと癪に障るけど、まぁ美作さんが笑ってくれたから、いっか。」
「ん?俺?」
「そ!何か寂しそうだったからさ…」
「あ~…うん、まぁ、ここ最近、類も総二郎もここに来ねぇんだ。
 司はうるせぇし、何かつまんなくてさ…」
「そっかぁ…最後に来たのって、あの日?」
「あぁ、類に女装させた後から二人の姿を見なくなったな。」
「…二人で、ナニしてるんだろうね?」
「っ!!…いや、でもあいつらに限ってそんなことは…」
「えっ?何々?」

興味津々なつくしに、あきらは苦笑を浮かべながらスマホの画面を向ける。
それは『Summer Festival』というタイトルのブログだった。

「期間限定でオープンしてるブログらしいんだけどな。
 そこの、ここ…見てみろよ…」
「…『禁じられたお部屋』?」
「あぁ。そこにこの前の女装の一件も書いてあんだよ。
 俺らとあの二人しか知らないはずなのによ…」
「え…ってことは、二人のどっちかが?」
「わかんねぇ…けど、他の内容もあいつらっぽい感じでさ。
 二次小説とは言いながら、強ち嘘でもない気がするんだよな…」

つくしはあきらのスマホを借り、そのブログの話に目を走らせる。
登場人物は『類』と『総二郎』。
つくしはふと思い出す…少し前、類に耳かきの気持ちよさを力説したことを。
『俺もやってみたい』と言う類に、『西門さんならさせてくれるんじゃない?』と言ったことも。

「ちょっと…これって…」

あきらの不倫相手との話で、『類に女装させたら…』という件も確かに記憶にある。
その後、総二郎が非常階段へ向かったことも。

「あいつら…こんなこと、してたのか…」
「う、わ…何それ…」

女装した類に、総二郎がキスしそうになった時はさすがに焦った。
けど、その後の類はいつもと変わらない感じだったのに。

「あ、この弓道場の件は…」
「あぁ、これは俺らは知らねぇ話だな。
 まぁ、確かに総二郎の銅着姿はかっこいいし、そんな恰好であのフェロモン撒き散らされたら、さすがの類も…」

スマホの画面を覗く二人から言葉が消える。
ここは正しく『禁じられたお部屋』だ。
見てはいけない二人の世界に、つくしは画面を閉じようとした。

「ちょっと待てよ!続きが更新されてる!」
「へ?続き?」

そこに登場したのは滋と桜子、そして親友の優紀だった。

「…滋さんの妄想話?」
「けど、そのうちの幾つかは事実だぜ?」
「じゃあ、どういう…?」

つくしの言葉に、一瞬あきらは顔を顰める。
信じたくはないし、嘘であってほしいとは願うが、それは二人の恋路を邪魔することになる。

日本では同性婚は認められない。
そして、二人はそれぞれ家を継ぐ立場にある。
総二郎が13股で遊んでいたのは、類への気持ちをカムフラージュするため。
類が彼女を作らないのは、総二郎への一途さ故…ってことか。
だが、不毛であっても、彼らにとっては純愛。
それをひた隠しにすることに疲れて、捌け口を求めていたとしたら?

「なぁ、牧野。俺はあいつらを見守ってやろうと思う。」
「まぁ、確かに絵面はいいけど…」

人の気配を感じたつくしが窓の外へと目線を向ける。
そこには今、当に会話の中心人物の二人が、仲良さそうに歩いていた。
総二郎が類の肩に腕を回し、どこかに誘っているようにも見える。
その顔は清々しいほどの笑顔で、その関係が順調であることを物語っていた。

「美作さん…あたしも理解してあげる努力はする。
 けど、もうちょっと時間が欲しい、かな…」
「ま、それが普通だろ。気にすんな。」

ポンと頭に乗った大きな手に、つくしは小さく笑いながら、二人の後ろ姿を見送った。

―がんばってね!

声にならないエールを込めて…。



***



「こんな感じで締めてみたんだけど、どう?」

嬉々とした滋の声に、一同は大きく溜息を吐いた。

「おい、サル…これ、牧野に見せただろ?」
「え?あ、あぁ…どうだったかな…あはは…」
「この前、牧野に会った時、何かすっごい冷やかな目で見られたんだけど?」
「そ、そう?気のせいじゃ…」
「俺なんて、『西門さんって、バイだったんだ?』って直接聞かれたぞ?」
「へ、へぇ…つくし、そんな言葉、知ってたんだ…」
「俺は『誰にも言わないから安心して!』だよ…どうしてくれんのさ!」
「は、はは…こういう世界は何でもアリが常識で…」
「「二次の常識を持ち込むなっ!」」

キレイに揃った口撃に、滋はションボリと肩を落とす。
それを桜子は呆れたように見つめ、優紀は隣に寄り添い慰めた。

「俺、かすみちゃんと約束あるから、帰るぞ。」
「俺も。インコの空に餌やらないとだから。」
「まぁまぁ!類も総二郎も、そんな怒るなって…」
「「あきらは黙ってて!」」

再び揃った声に、堪らず笑い声をあげたのはつくしだった。

「やっぱ、何だかんだいって、気が合うんだよね!
これは作り話なんだろうけど、本当に上手に
書けてるよ!
 これからも、滋さんのお話楽しみにしてるから、また書いてね♪」
「つ~く~し~~~~!!」

これまでにない抱擁(タックル?)を受け、つくしが呼吸困難に陥り、救急車騒ぎになったのはここだけの話。


おわり☆
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Posted by桃伽奈

Comments - 4

There are no comments yet.
スリーシスターズ  

こんにちは。
お~っ(・ω・)ノ
完結編のお話すらも、滋さんのお話の一部だったんですね!!
このお話の最初を読んだ時、あきらくんも見つけてしまったんだ~(;^ω^)とか、2人は類くんと総二郎くんが本当はお互いを想い合ってる!!って信じちゃったのかな?とか色々考えちゃいましたが、そこまでもが滋さんの妄想のお話!!
もう皆さんにしてやられました~(゚Д゚)ノ
でもつくしちゃんは二次の世界の話だと分かってはいても、ちょっとは本当かも?なんて思っちゃったりしているのかな~(笑)
頭の中で旅立ってしまったり、現実に戻ってきたりと別の意味で大変でしたが、とても楽しかったです🎶
今度こそ本当に完結ですよね(笑)
またいつの日かこの禁じられたお部屋にお話が増えるのをお待ちしていますね(*^▽^*)

2018/08/24 (Fri) 15:35 | EDIT | REPLY |   
さとぴょん  

二次の中の二次と美しくまとめられた作家様へ
最初あきらが寂しそうにしてたところを読んで
もしかして、あきら出番少なかったから?
いや自分も誰かと絡みたかったから?
まさかの三角関係?
ってびっくりしたけど
純粋に友の心配をするあきらに
いいやつだ・・・
と素直に感動しました。
滋ちゃんキレイにまとめましたね。
類や総ちゃんも
つくしに表現の自由を宣言されたら
何も言えないですよね。
類と総ちゃんの愛が幻とわかり
ほっとしたようで、ちょっと寂しくもあり
でも爽やかな終結。
まさに「夏の夜の夢」って感じで
いい夢見させていただきました( *´艸`)
なにより、総ちゃんや類くんの新たな魅力も発見できて
嬉しかったです。
ドキドキの楽しいお話♡
ありがとうございました♡
今回はBL新鮮でよかった♡
でもノーマルRもまた読みたいな♡
次回はノーマル濃厚もよろしくお願いいたしますね♡(*^^*)♡

2018/08/25 (Sat) 11:28 | EDIT | REPLY |   
覆面11号の人  
スリーシスターズ様

コメントありがとうございます!
お返事が遅くなりまして、申し訳ありません。
これで完結でいいのか?とも思いますが、ひとまず〆ました。
夏の暑さが作家たちの妄想に火を点け、暴走しまくった故のお話。
まさかの設定も楽しんでいただける寛容さに、心からお礼を申し上げます(笑)
二次作家・滋ちゃんの実体は誰なのか?
読み手様の鋭い観察眼に戦々恐々としています💦
どうか、お手柔らかにお願いしますね(笑)
普段、司推しのスリー様へのコメントを考えながら、あろうことか、『司が受けだったら…?』という不埒な妄想をしてしまったこと、お許しくださいね♡
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

2018/08/26 (Sun) 13:04 | EDIT | REPLY |   
覆面11号の人  
さとぴょん様

コメントありがとうございます!
お返事が遅くなりまして、申し訳ありません。
二次の中の二次。
それを書いたのが滋ちゃんとは、なかなか思い付きませんよね。
きれいに纏まったのか、甚だ不安ではありますが、これもまた一興と思っていただけたら幸いです(笑)
正に、真夏の夜の夢。
総二郎と類の淡い恋物語に、私もドキドキさせられました。
この夏の暑さはハンパなかったですからね…。
スターターとなった作家様も、繋げてくださった作家様も、この暑さにヤラれてたみたいです(笑)
私の書いた〆も何だか微妙ですが、全部夏の暑さのせいってことでお許しくださいませ。
おそらくBLは初の試みだったと思います。
新鮮だと言っていただけて、少し安心しました(笑)
ノーマルR?ノーマル濃厚?
それはその担当にお願いしておきますね♡
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

2018/08/26 (Sun) 13:18 | EDIT | REPLY |   

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